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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 阿形 健司 |
タイトル | 私鉄におけるストライキ発生件数の推移とその要因の考察 |
内容 | かつて春闘等において、私鉄系の労働組合は頻繁にストライキを決行していた。しかしその運動を牽引していた大手私鉄の組合は1980年代以降、幾度かの例外を除いてほとんどストライキを起こさなくなっている。ストライキ権を含めた団体行動権に対する法的な保護は当時も今も変わらない一方で、一時は相場形成の役割をも担っていた私鉄の春闘で、ストライキはなぜ起こらなくなったのか。労使双方の春闘への向き合い方やその交渉結果の記録、私鉄系組合が支持していた政党の党勢の推移などに検討を加えることで見えてきたのは、団体交渉を強く希求しながらも省力化に伴う組合員の減少で次第に求心力や影響力を削がれていく労働組合と、活動に対するモチベーションを見失う組合員、安定的な労使関係の構築を目指し様々な方法で私鉄春闘の在り方を変え、ストライキ実施のメリットを小さくしていった経営者側の姿勢、それにストライキを次第に受忍しなくなっていった市民の姿であった。そして中央集団交渉の終焉から20年以上を経て個別交渉が定着した今、人口減少という出口の見えない厳しい現実に労使双方が直面する中で、大手私鉄におけるストライキ実施の可能性は限りなく小さいものとなっているのである。 |
講評 | 今年度は10名の「卒業論文」登録者があり、全員が卒論を提出できたことを嬉しく思います。よそから調達したのではなく、各自の経験や思考から導き出した問題関心に基づいて情報を集め、整理し、それらに基づいて論理的に自らの主張を展開できたとすれば喜ばしいことです。本年度は、一次資料を活用した論文、多角的に二次資料を集めて検討した論文など独自性に富んだ卒業論文が多かったことは特筆すべきでしょう。 一方で、個別の卒論を精査すると、卒業研究に費やした時間と労力に応じた出来映えであったことは否めません。誇るべきところは誇り、反省すべきところは反省していただくとよいでしょう。卒論の提出をもって十数年にわたる学校教育を修了することになりますが、社会に出てからも学び続けることが重要です。皆さんにとって、このたびの卒論がその出発点となることを期待して講評の言葉といたします。 |
キーワード1 | 私鉄 |
キーワード2 | 春闘 |
キーワード3 | ストライキ |
キーワード4 | 労使交渉 |
キーワード5 | 労働組合 |
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