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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 浦坂 純子 |
タイトル | 路線バス運転士における「見えない労働時間」の存在と労働条件の受容-公営C事業者の事例をもとに- |
内容 | 本論文は、路線バス運転士が何らかの役務を行っているが労働時間とされていない時間のことを「見えない労働時間」と称し、見えない労働時間が発生しそうな場面ごとの実態や、運転士が現行の労働条件を受け入れられている理由を検討したものである。検討に際しては、公営C事業者に対して現地調査および聞きとり調査を行った。 現在のC事業者において、見えない労働時間となり得る時間は存在したが、運転士の行動次第で発生を回避できるものもあった。また、労働時間外に役務を行った際に、要した時間を労働時間として扱うための報告書が存在していた。しかし、運転士は労働時間への組み入れが見込めなくとも、サービス等の理由から自発的に役務を行うことがあった。加えて、多くの運転士は報告書を日頃から提出しづらい状況におかれていた。 見えない労働時間がなおも存在するなかで、現行の労働条件を運転士が受け入れている理由は、そもそも労働時間内に役務を行っていない場合があることに加え、民間移譲を避けるべく経営状況を理解しているためと考えられたが、労使の関係性が良好であるがゆえに消極的に受容している可能性も考えられた。 |
講評 | 身近な路線バス運転士が時給で働く非正規労働者であることが多く、それゆえ見えない労働時間の蓄積が、場合によっては裁判沙汰になるくらい重要な問題となり得ることが、本論文を通じて詳らかにされた。本論文は事例を緻密に紐解くことにとどまるが、日本の公共交通のあり方やエッセンシャルワーカーの処遇にも疑問を投げかける労作である。 |
キーワード1 | バス運転士 |
キーワード2 | 拘束時間 |
キーワード3 | 労働時間 |
キーワード4 | 休憩時間 |
キーワード5 | 労働条件の受容 |
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