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学科 産業関係学科
年度 2021
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 術科特別訓練員の働き方
内容 本論文では、術科特別訓練員という警察の中の術科を専門として行う警察官を対象として、その警察組織の中における位置づけ、一般警察官との違いをまず解明した。次いで、京都府警察術科特別訓練員、静岡県警察術科特別訓練員の方たち及び警察剣道以外の剣道家、剣道未経験者に対するインタビューを通して、術科特別訓練員の働き方を地方と大都市に分けて考察するとともに、術科特別訓練員に対する一般警察官や国民の評価について分析した。
 その結果、京都や大阪といった大都市の術科特別訓練員は、午前、午後に剣道訓練があり、定時には仕事を終えていることが明らかになった。剣道訓練以外の業務には、緊急時の出動や世界規模のイベントの警備などがあるが、基本的には剣道訓練が仕事となっている。地方の術科特別訓練員は、午前は剣道訓練で、午後は一般警察のように交番勤務や警察署勤務を行っていた。
 一般警察官や国民の術科特別訓練員に対する評価としては、術科特別訓練員は警察に必要であり、目的達成のために最適な働き方をしていると考えられていた。しかし、術科特別訓練員の認知度は低く、この点の改善が求められる。
講評 卒論を読んで第一に感じたことは、卒論が二極化しているということである。卒論執筆者本人が知りたい、解決したいと考えているテーマを扱っている卒論は、テーマ決定に手間取っても、一度テーマが決まったならば進捗は早かった。もちろん、卒論検討のゼミでは、それでもここはなぜこう考えるのかとか、こういった視点から考察した方よいのではないかなど、指摘すべきことは多々あった。しかし、執筆者本人が切実さをもって書いている卒論は、このように執筆者本人と教員とのあいだで卒論を通して対話することが可能であった。それに対し、なぜそのテーマをとりあげるのか、テーマ決定があいまいである場合は、進捗が遅いのみならず、手軽にアクセスできる文献にあたり、一通りまとめるのみで終わりがちで、内容以前の問題をクリアーすることに時間を取られていた。
どうしてこのような違いが生じるのか。はやはり、大学で学ぶということに対する卒論執筆者本人の向き合い方の違いを反映しているのであろう。学ぶことをあくまでも机上のことと考えるか、机上で知ったことが他ならぬこの自分に降りかかることでもあると認識するかの違いである。皆さんには知ることは自分を守ることでもあることを知っておいてほしいと思う。
辛口の講評を書き連ねてしまった。しかし卒論を読むと、若いということ、新しい時代しか知らないということはリスクはあるものの、中高年はもはや持ち得ていない高感度のアンテナを保有していることでもあるということを、強く感じさせられもした。今年の卒論では、親ガチャやメンバーシップ型雇用に付きものの転勤、女子学生が一般職を進んで希望すること、オンライン勤務、奨学金問題等が取り上げられていた。まさに今、社会を揺るがしている問題ばかりである。こういった事柄をテーマとして設定する点に、今の20代のアンテナが現れていると思う。ともあれ皆さんの未来が光に満ち溢れていることを強く願っている。
キーワード1 剣道
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キーワード3 術科特別訓練員
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