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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 三山 雅子 |
タイトル | 今後の転勤の在り方~女性活躍の観点から~ |
内容 | これまで日本社会において当たり前に行われていた「転勤」は、女性の社会進出を妨げる要因の一つではないかという仮説のもと、「転勤」の実態について明らかにし、女性が労働者として活躍するために、今後転勤がどうあるべきかを考察している。 「転勤」の実態を明らかにするために、歴史的背景を紐解くと、「転勤」は日本型雇用を支えてきた要素の一つであることが明らかになった。その日本型雇用を支えてきたのは、多くの場合男性であり、家庭を持つと勤務時間や場所に制約が出る可能性が高い女性は、活躍の場が限定されてきたということが分かった。また、「転勤」は女性の活躍を妨げるだけでなく、男性にとっても、離職の要因となっていることや、労働者の家族をも巻き込むという問題点が見えてきた。しかし、近年「転勤」制度自体を見直す企業も増えてきており、「転勤」が当たり前であった日本社会に新たな風が吹いているともいえる。一方で、「転勤」に対して労働者が必ずしも、否定的な意見を持っているわけではないことも明らかになった。よって、不必要な「転勤」を少しでも減らすことと、労働者の「自己決定」が、男女共同参画社会実現に重要であると考えた。 |
講評 | 卒論を読んで第一に感じたことは、卒論が二極化しているということである。卒論執筆者本人が知りたい、解決したいと考えているテーマを扱っている卒論は、テーマ決定に手間取っても、一度テーマが決まったならば進捗は早かった。もちろん、卒論検討のゼミでは、それでもここはなぜこう考えるのかとか、こういった視点から考察した方よいのではないかなど、指摘すべきことは多々あった。しかし、執筆者本人が切実さをもって書いている卒論は、このように執筆者本人と教員とのあいだで卒論を通して対話することが可能であった。それに対し、なぜそのテーマをとりあげるのか、テーマ決定があいまいである場合は、進捗が遅いのみならず、手軽にアクセスできる文献にあたり、一通りまとめるのみで終わりがちで、内容以前の問題をクリアーすることに時間を取られていた。 どうしてこのような違いが生じるのか。はやはり、大学で学ぶということに対する卒論執筆者本人の向き合い方の違いを反映しているのであろう。学ぶことをあくまでも机上のことと考えるか、机上で知ったことが他ならぬこの自分に降りかかることでもあると認識するかの違いである。皆さんには知ることは自分を守ることでもあることを知っておいてほしいと思う。 辛口の講評を書き連ねてしまった。しかし卒論を読むと、若いということ、新しい時代しか知らないということはリスクはあるものの、中高年はもはや持ち得ていない高感度のアンテナを保有していることでもあるということを、強く感じさせられもした。今年の卒論では、親ガチャやメンバーシップ型雇用に付きものの転勤、女子学生が一般職を進んで希望すること、オンライン勤務、奨学金問題等が取り上げられていた。まさに今、社会を揺るがしている問題ばかりである。こういった事柄をテーマとして設定する点に、今の20代のアンテナが現れていると思う。ともあれ皆さんの未来が光に満ち溢れていることを強く願っている。 |
キーワード1 | 転勤 |
キーワード2 | 女性活躍 |
キーワード3 | メンバーシップ型 |
キーワード4 | ワークライフバランス |
キーワード5 | |
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