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学科 産業関係学科
年度 2021
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 日本における格差の要因と改善案について
内容  近年、日本ではコロナ禍を除くと、景気が堅調に推移していたにも関わらず、格差問題が社会問題の一つになっていた。そこで、日本の格差の現状、要因を把握し、改善策を考察した。まず、ジニ係数などのデータから所得格差や資産格差が格差社会の大きな要因であることを理解した。さらに、日本の格差社会を象徴するワーキングプアについての現状や実態を把握し、ワーキングプアが発生する要因について理解した。現状、政府が行う格差是正策は累進課税制度や最低賃金引き上げなどが実施されているが、対策が不十分であると言える。格差問題の改善策としては現状の是正策をより積極的に進め(累進課税制度をより低所得者の負担が軽減されるように改善、最低賃金のさらなる引き上げなど)、教育無償化や副業の促進などワーキングプア層がワーキングプア状態を脱却する機会を多く与えるべきである。
講評 卒論を読んで第一に感じたことは、卒論が二極化しているということである。卒論執筆者本人が知りたい、解決したいと考えているテーマを扱っている卒論は、テーマ決定に手間取っても、一度テーマが決まったならば進捗は早かった。もちろん、卒論検討のゼミでは、それでもここはなぜこう考えるのかとか、こういった視点から考察した方よいのではないかなど、指摘すべきことは多々あった。しかし、執筆者本人が切実さをもって書いている卒論は、このように執筆者本人と教員とのあいだで卒論を通して対話することが可能であった。それに対し、なぜそのテーマをとりあげるのか、テーマ決定があいまいである場合は、進捗が遅いのみならず、手軽にアクセスできる文献にあたり、一通りまとめるのみで終わりがちで、内容以前の問題をクリアーすることに時間を取られていた。
どうしてこのような違いが生じるのか。はやはり、大学で学ぶということに対する卒論執筆者本人の向き合い方の違いを反映しているのであろう。学ぶことをあくまでも机上のことと考えるか、机上で知ったことが他ならぬこの自分に降りかかることでもあると認識するかの違いである。皆さんには知ることは自分を守ることでもあることを知っておいてほしいと思う。
辛口の講評を書き連ねてしまった。しかし卒論を読むと、若いということ、新しい時代しか知らないということはリスクはあるものの、中高年はもはや持ち得ていない高感度のアンテナを保有していることでもあるということを、強く感じさせられもした。今年の卒論では、親ガチャやメンバーシップ型雇用に付きものの転勤、女子学生が一般職を進んで希望すること、オンライン勤務、奨学金問題等が取り上げられていた。まさに今、社会を揺るがしている問題ばかりである。こういった事柄をテーマとして設定する点に、今の20代のアンテナが現れていると思う。ともあれ皆さんの未来が光に満ち溢れていることを強く願っている。
キーワード1 所得格差
キーワード2 ワーキングプア
キーワード3 非正規労働者
キーワード4 最低賃金
キーワード5  
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