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学科 産業関係学科
年度 2021
ゼミ名 松山 一紀
タイトル アルバイトのモチベーションはどのようなフィードバックで向上するのか-制御焦点ごとの差異の検討-
内容  アルバイトが企業にとっての労働力となりつつある現代で、アルバイトの人手不足は深刻化している。そのような状況の中で、アルバイトのモチベーションを高めて人材を確保し、維持することにつなげるような工夫が求められている。先行研究で、労働者の制御焦点によって、モチベーションの高まり方には差があることがわかっている。また、組織において、メンバーに対するフィードバックは重要なコミュニケーションであることから、本稿ではアルバイトの制御焦点と上司からのフィードバックに着目した。
 アルバイトに従事している118名のデータを分析した結果、ポジティブフィードバックがモチベーションを強く促進することが明らかになった。その一方で、利得接近志向の人がポジティブフィードバックをもらうとモチベーションが強く促進されたり、損失回避志向の人がネガティブフィードバックをもらうと、モチベーションが促進されたりすることはなかった。結果的に、アルバイトの制御焦点にかかわらず、ポジティブフィードバックをもらえばモチベーションは促進されるが、ネガティブフィードバックをもらっても、モチベーションが促進されることはなかった。
 今回の研究では、一般の制御焦点の測定尺度を使用したが、今後、アルバイトに特化した制御焦点の測定尺度を使用して、制御焦点とモチベーションの関係を検討する必要がある。
講評  量的調査による実証研究に挑戦した3本のうちの1本である。モチベーション理論のなかでも、最近注目されている制御焦点理論を取り上げ、論理的に仮説を導き出し、自らでデータを収集し、そして多変量解析を施し、分析している点は多いに評価できる。ネガティブフィードバックがモチベーションに全く影響力を有していないという結果は、予想外ではあったものの、さらなる関心を引き出す結果でもあった。
キーワード1 制御焦点
キーワード2 モチベーション
キーワード3 ポジティブフィードバック
キーワード4 ネガティブフィードバック
キーワード5 アルバイト
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