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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 奥井 遼 |
タイトル | 応援と支援の間―ブラインドサッカーチームにおけるコミュニケーションの創発― |
内容 | 本稿は、ブラインドサッカーにおける「サポーター」に着目し、「応援」とも「支援」ともつかないユニークな関わりを解明することを目的としている。筆者は大阪のブラインドサッカーチームに参加し、プレーやサポートを行う中でフィールドワークを継続してきた。この参与観察の中で得た事例と、チームに所属し活動する人々へのインタビューから得られた語りを検討した。その結果、「応援/支援」の間には、単なる視覚障害者のためのスポーツ、視覚障害者/晴眼者が混在するスポーツという範囲を超えて、視覚障害者/晴眼者という関係や役割を無効化し、かつ両者がそれぞれの身体の境界を問いなおすような刺激的で軽やかなコミュニケーションの生成があることが明らかになった。従来、選手とくに障害者に焦点が絞られがちであった障害者スポーツが、サポーターという柔軟な立場を介してより重層的に描き出されることになるだろう。 |
講評 | 本稿は、1年半にわたるブラインドサッカーチームへの参与観察の成果をまとめた労作である。「障害」「ケア」「スキル」等に焦点が当てられがちな障害者スポーツ研究であるが、筆者はチームの構成員である「サポーター」に着目し、晴眼者として現実社会とコート内外を行き来しながらチームを動かす人々のユニークな役割を明らかにした。「見える人」と「見えない人」とのコート内外でのコミュニケーションには、互いに自身の身体的なリソースを差し出しあって、あたかも新しい身体を生きるかのような柔軟で分厚い経験の積み重ねが見られる。本格的な理論構築の端緒を感じさせつつ、教育学、スポーツ社会学、身体論といった多領域へのインパクトをもたらしうる独創的成果が示された。 |
キーワード1 | ブラインドサッカー |
キーワード2 | スポーツ空間 |
キーワード3 | 応援 |
キーワード4 | 支援 |
キーワード5 | サポーター |
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