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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 奥井 遼 |
タイトル | あそびからはじまる学び―子どもの想像場面の観察を通じて― |
内容 | 本稿では、「勉強」と対比して考えられがちな「あそび」に着目し、あそびそのものに内在している学びの可能性を、幼稚園と学童保育という二つのフィールドでの参与観察を通じて明らかにした。具体的な事例の検討の結果、ごっこあそびを通じては、子どもが無意識下で競うように空想を広げ、お互いに提案し合うという、創造的で複雑なコミュニケーションが行われていることが示された。競技性を持ったあそびを通じては、ルールを理解していくにつれ、楽しみ方が原初的・身体的な喜びからルールに定められた勝ち負けへと移っていくことが示された。また、あそびをあそびたらしめるものは、虚実が入り混じった世界観への没入であることが示唆された。以上により、現実的な整合性にとらわれすぎず、大人による教育的な意図を介入させないことで、子ども自らがあそびそのものの幅を広げていき、より社会性や創造性を豊かに発揮できる可能性が明らかになった。 |
講評 | 「遊んでばかりいないで勉強しなさい」という小言はしばしば耳にするものの、とにかく「知育」の名の下に遊ぶことすら勉強の一部に組み込まれる今日である。本稿は、幼稚園および学童保育の現場に1年間近く毎週のように通ったフィールドワークをもとに、子どもにおける遊びの経験を記述するものである。大人が想定していないような遊びの端緒を見つける姿や、あるいは逆に大人の遊び方に無抵抗に影響を受ける姿など、子どもにおける遊びの構造を生き生きと分析している。「遊び論」は教育学における中心課題であるが、徹底して現場目線で子どもたちに眼差しを向ける筆者の態度には学ぶべきことが多い。 |
キーワード1 | 子ども |
キーワード2 | あそび |
キーワード3 | 教育 |
キーワード4 | 保育 |
キーワード5 | 参与観察 |
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