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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 奥井 遼 |
タイトル | レッスンと緊張感―クラシック・バレエ教室の事例から― |
内容 | 本稿では、筆者が幼少期から感じていた違和感を端緒として、クラシック・バレエ教室における独特な緊張感の特質と構造を明らかにする。具体的には、バレエダンサー、バレエ学習者に起こる緊張状態がその構造の一部と仮定し、クラシック・バレエのどのような要素が踊り手のプレッシャーに繋がるのかを検討する。調査方法として、京都市内のバレエ教室2か所において、約7か月間にわたって指導を受けながら参与観察を行った。その結果、クラシック・バレエの練習着や教室の構造などによる視線の特質、18世紀から受け継がれるクラシック・バレエの様式美、指導者から生徒への一方的なコミュニケーションなどの要素に、クラシック・バレエ特有の文化(ダンサーへのプレッシャーを含む)の構成を見出した。これらは他のスポーツ競技や舞踊では見られない、クラシック・バレエならではの独特な緊張感を生み出していると考えられる。 |
講評 | バレエ教室における指導には、一種独特のコミュニケーションのスタイルがある。いちバレエ学習者として幼いころに感じとっていたプレッシャーなるものを、筆者は「緊張感」として明示化し、その発生のメカニズムと構造を明らかにしようと試みた。調査のために半年以上かけてバレエ教室に通い、参与観察とインタビューを組み合わせて分析を行った。粘り強い観察により、様式美・衣装・教室の作りといった形式的な側面と、視線・接触・コミュニケーションといった指導的関わりの側面といった複数の特徴を描き出し、当事者たちをとりまく「緊張感」を明らかにした。より客観的な論証を行うための補足的な調査(複数のインタビュー等)を行うには至らなかったものの、一貫した問題意識と粘り強い観察によって、説得力のある記述によって構成される労作となった。 |
キーワード1 | クラシック・バレエ |
キーワード2 | 緊張感 |
キーワード3 | 様式美 |
キーワード4 | 指導 |
キーワード5 | コミュニケーション |
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