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学科 教育文化学科
年度 2021
ゼミ名 奥井 遼
タイトル シュタイナー教育を取り巻く学びの可能性―大人の活動に着目して―
内容 本論文は、シュタイナー教育を取り巻く大人の学びの可能性と限界の一部を提示しようとするものである。筆者が行ったフィールドワーク(北海道「ひびきの村」や京都シュタイナー塾、京田辺シュタイナー学校での調査)に加え、校内活動や大人の学び講座の事例、大村祐子著『シュタイナー教育に学ぶ通信講座』の分析を通して、「子どものため」を核に据えながら同心円状に自分自身や他性へと関心の輪が広がっていくという大人の学びの可能性を明らかにした。他方、シュタイナー教育周辺において人智学思想を基盤とするシュタイナー教育を学ぶことの限界が露呈したことを示唆した。ただし、その限界は日常生活とのギャップや非日常的な空間をつくりだし、日常生活では感じることができない独特の癒しや温かさ、神聖さを生み出している。シュタイナー教育に関わることで癒され、日常へと帰っていく、いわば巡礼を可能にしていることが示唆された。
講評 シュタイナー教育をめぐって学ぶ人たちは、必ずしも子どもだけであるとは言い切れない。本稿は、シュタイナー教育の現場では体験的に理解されている、しかしこれまで十分に学術的な議論が及んでいなかった「親」ないし「大人」の学びについて論じた意欲作である。筆者は、シュタイナー学校をめぐる大人たちの学びについて、学校教育に関わる活動はもちろん、シュタイナーの教育(ないし思想)を深く学ぼうとする一般の共同体の動向(活動報告誌等を手がかりとして)を分析するとともに、京田辺シュタイナー学校が開講している大人向け講座にも参加しながら多角的に考察を加えた。学校の特性上、外部の調査者が入ることの難しさに幾度も直面した筆者であるが、資料収集のために多方面に視野を広げつつ、集めた資料を丁寧に紐解きながら研究に取り込んでいった粘り強さと、何よりもシュタイナー教育に魅せられた一人として重ねた真摯な記述には胸を打たれる。
キーワード1 シュタイナー教育
キーワード2 シュタイナー学校
キーワード3 大人の学び
キーワード4 人智学
キーワード5 洗われる感覚
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