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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 奥井 遼 |
タイトル | バーバルコミュニケーションによる身体感覚の共有―ボート競技中のわざ言語からの発見― |
内容 | 本稿では、ボート競技を題材として、「わざ言語」をめぐるコミュニケーションについて論じていく。わざ言語とは、動作に関する熟練の技を人と共有する際に用いる独特の表現であるが、本稿ではわざ言語を2つのグループに分類し、その新しい捉え方を試みた。わざ言語の分類という着想をもたらしたのは、筆者自身が大学四年間で培った体育会ボート部における経験である。ボート競技は2000mを乗船者全員が一糸乱れぬように動きを合わせなければいけない特徴を持つ団体競技であり、わざ言語を介した身体感覚の共有という点を論じるのに格好の題材であると言える。また、ボート競技に関するこれまでの論文としては、その歴史について、競技についてのものが多く、ボート競技における言語研究についての論文は未だ発表されていない。そこで本稿では、上記で提示したボート競技を題材として、バーバルコミュニケーションの一つである、わざ言語研究への新たな発見が得られることが期待される。 |
講評 | 熟練の人における身体感覚やセンスを共有するのは困難であるが、「わざ言語」はその可能性を開いた手がかりである。大学時代にボート競技に深く関わった筆者は、競技の中で使用されている独特の言い回しがわざ言語の解釈を広げることになるのではないかと着想した。競技中の言語の使用について改めて調査・整理した上で、外部の未経験者でも理解できる「一般的現地語」と、経験者として感覚を得るなかでしか理解できない「わざ言語的現地語」を区別するという観点を効果的に論じた。先行研究の整理から問いの設定までの過程にやや荒さが残り、また事例収集がいくぶん恣意的ではあるものの、身体感覚の共有を促すボート競技の生き生きとした言説の世界が伝わってくる。 |
キーワード1 | わざ言語 |
キーワード2 | 現地語 |
キーワード3 | ボート競技 |
キーワード4 | コミュニケーション |
キーワード5 | 身体感覚の共有 |
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