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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 山田 礼子 |
タイトル | STEMに関する課題解決に向けた「工業高校」の検討 |
内容 | 知識と技術の革新が絶え間なく続く今日、私たちは大量の情報を取捨選択し、それをもとに新たな知の創造を起こすことが求められている。このような流れが世界的に起こった結果、「STEM」が注目され始めた。しかし理系離れが叫ばれる日本の STEM 人材不足は顕著で、諸分野から需要が高まる STEM 分野において、日本は世界と比べて立ち遅れている。 そこで筆者は、不足する STEM 人材の新たな育成・獲得の場として工業高校に着目した。工業高校は STEM に関わる 6 つの学科で構成される一方で、時代の変遷と共に様々な課題を抱えており、これまで彼らを対象とする適切な調査が行われていないのが現状である。筆者は彼らの抱く価値観や考え方を明らかにすることを課題設定として、インタビュー調査を行った。その結果、高い就職意識を持ちながら、工業科の専門科目に興味を持って熱心に取り組むことのできる、一般的な工業高校に対するイメージと大きく異なる彼らの姿が明らかとなった。 |
講評 | 本年度の卒業論文を執筆した学生は20000字を全員が選択し、11 名が提出した。 今年の学生たちは、比較的早期から課題を設定して課題に取り組んだといえる。また、当該ゼミでは大学院生を交えてのゼミでのディスカッションも日常化していることもあり、大学院生からのアドバイスを受けながら、課題に取り組み、アドバイスを受けて、修正した内容を教員に提出するというプレセスが機能したと評価できるだろう。 2020年から突如起こったCOVID-19で今年度卒論を執筆した学生たちは、コロナ禍で3年生の演習を経験し、春学期は完全オンライン、秋学期はオンラインと対面式の併用で演習を進めてきた。10年次も同様にオンラインによる個別指導と全体での演習内での発表等を併用してきた。毎年行う卒論のための合宿も経験していない。そのような状況においても、計画を立てながら、早期からテーマに取り組み、オンラインでの個別指導を有効に利用して全員が複数回の卒論の修正を行うというプロセスを通じて提出に至った。 当該ゼミでは、データを収集し、それを分析することが基本となっているため、早期からデータ収集に取り掛からなければ、分析と卒業論文執筆までこなすことはむずかしい。この点でのコロナ禍の影響が大きかったことは否定できない。今年の学生はインタビュー調査が多かったが、対面式では難しいため、全員がオンラインでのインタビューとなっていた。オンラインの経験があるからインタビューもかなり円滑に進めることができたとは予想するが、やはりフィールドワークにも関係するような対面式でのインタビューを行うことで、本音の部分も体感できるところがあるので、そこは残念に感じる。質問票による量的調査においては、オンラインフォームによる調査を実施し、相当な数の回答数を集めることができていた。今までは、紙による質問票であったのだが、オンライン調査もこれからの選択肢になることを証明できたと思う。 テーマとしては、高等教育が重たるテーマであった。それぞれ、現在高等教育が直面している課題を取り扱っている。もう少し、掘り下げてほしいというような面もあるが、それでも全員がオリジナルな視点を提示していた。また、近年減少していたジェンダーと高等教育という切り口でのテーマが再度浮上したことも、時代の趨勢を反映しており、個人的には良い傾向であると考えている。内容的にも現代の社会問題につながるような切り口で分析されていた。 |
キーワード1 | STEM教育 |
キーワード2 | 工業高校 |
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