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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 山田 礼子 |
タイトル | 大学生の学習動機と主体的な学修行動―学習動機パターンと優れた授業実践のための 7 つの原則に着目して― |
内容 | 本研究の目的は、学生の多様化が進む高等教育において、大学生の主体的な学修行動にはどのような違いが見られるのかを明らかにすることである。大学生408名を対象として調査票調査を行い、「優れた授業実践のための7つの原則」の学生用チェックリスト(Chickering&Gamson,1987;中島・中井,2005)を主体的な学修行動の指標として分析した。また、金子(2013)の「学習動機パターン」に基づいて学生を、高同調型、独立型、受容型、疎外型の4つのタイプに分類した。その結果、「自己・社会認識の確立の度合い」と「大学教育の目的との適合性」の両方が高水準である高同調型の学生は、より多くの主体的な学修行動を実施していることが明らかとなった。さらに、学生のタイプごとに特徴的な学修行動が見られた。そのため、多様な学生と関わる大学教員が彼らに学習改善を促す際に、教員が学生のタイプをできる限り把握し、その特徴に応じて異なる働きかけを行うことの重要性が示唆された。 |
講評 | 本年度の卒業論文を執筆した学生は20000字を全員が選択し、11 名が提出した。 今年の学生たちは、比較的早期から課題を設定して課題に取り組んだといえる。また、当該ゼミでは大学院生を交えてのゼミでのディスカッションも日常化していることもあり、大学院生からのアドバイスを受けながら、課題に取り組み、アドバイスを受けて、修正した内容を教員に提出するというプレセスが機能したと評価できるだろう。 2020年から突如起こったCOVID-19で今年度卒論を執筆した学生たちは、コロナ禍で3年生の演習を経験し、春学期は完全オンライン、秋学期はオンラインと対面式の併用で演習を進めてきた。13年次も同様にオンラインによる個別指導と全体での演習内での発表等を併用してきた。毎年行う卒論のための合宿も経験していない。そのような状況においても、計画を立てながら、早期からテーマに取り組み、オンラインでの個別指導を有効に利用して全員が複数回の卒論の修正を行うというプロセスを通じて提出に至った。 当該ゼミでは、データを収集し、それを分析することが基本となっているため、早期からデータ収集に取り掛からなければ、分析と卒業論文執筆までこなすことはむずかしい。この点でのコロナ禍の影響が大きかったことは否定できない。今年の学生はインタビュー調査が多かったが、対面式では難しいため、全員がオンラインでのインタビューとなっていた。オンラインの経験があるからインタビューもかなり円滑に進めることができたとは予想するが、やはりフィールドワークにも関係するような対面式でのインタビューを行うことで、本音の部分も体感できるところがあるので、そこは残念に感じる。質問票による量的調査においては、オンラインフォームによる調査を実施し、相当な数の回答数を集めることができていた。今までは、紙による質問票であったのだが、オンライン調査もこれからの選択肢になることを証明できたと思う。 テーマとしては、高等教育が重たるテーマであった。それぞれ、現在高等教育が直面している課題を取り扱っている。もう少し、掘り下げてほしいというような面もあるが、それでも全員がオリジナルな視点を提示していた。また、近年減少していたジェンダーと高等教育という切り口でのテーマが再度浮上したことも、時代の趨勢を反映しており、個人的には良い傾向であると考えている。内容的にも現代の社会問題につながるような切り口で分析されていた。 |
キーワード1 | 学生の多様化 |
キーワード2 | 主体的な学修 |
キーワード3 | 学習動機 |
キーワード4 | 授業改善 |
キーワード5 | オンラインフォームによる量的調査 |
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