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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2021 |
ゼミ名 | 上田 眞士 |
タイトル | 外国人労働者の受け入れ政策の変遷と課題 |
内容 | 日本の総人口は 2010 年以降減少が続き、生産年齢人口も急激に減少し、少子高齢化社会が進んできている。1986 年代の高度成長期時代に日本は「人手不足」を経験し、南米諸国などから外国人労働を日本に招いた。そして現在は人口減少により「人手不足」が再び社会問題として深刻化してきている。外国人労働者の数は年々増加傾向にあり、このような状況化で日本の労働力の支えとなることが期待されているのが「外国人労働者」である。また、技能実習制度は日本の優れた技能等を発展途上国に移転する国際協力活動の一環で当初は始まったが、日本はこの制度を「実習」から「労働」がメインになってしまうような政策ばかりを行ってきている。そして、度重なる外国人労働者の人権侵害が国際的にも批判を受けることもある。本論文では、外国人労働者の受け入れ政策の変遷と今後、日本社会が外国人労働者にとって生活しやすい国になるためにどういった課題があるかについて考察している。 |
講評 | 皆さんから提出された卒論のテーマを分野別に大きく括ってみると,「日本型雇用慣行の限界と課題」「若者の早期離職とキャリア形成・職業能力開発」「WLB・女性活躍・育児休業制度」「外国人技能実習制度とイミグレーション問題」「労働組合の現状と抱える問題」「USJのマーケティング戦略と人的資源管理」等々となっています。たしかに論理的な記述や内容把握の深さという点では,個々の論文を取り上げてみると,精粗や優劣もあったように思います。けれども,コロナ禍の下での就職活動という大きな困難の中でも,基本的には卒論作成という課題に対して,ゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた。そのように考えています。そこで,以下では皆さんが苦労をしてくれた研究論文の執筆というものをめぐって,わたしが大事だと考える要点を簡単に指摘して,それを卒論作業の締め括りの講評としたいと思います。 まず大切なことは,一つには,論文の出来映えを決めるものは,政策提言の「良否」にではなく,問題把握や理解の深さにこそあるのだということです。そして,そのためにも,幅広く学習するという態度をもって欲しい,そうした要望です。やはり参考文献の数が多く,広い視野から問題を考察している論文ほど,出来映えが良いように思われました。よく言われる「建築」のアナロジーで例えれば,「高い建物」を築くためには,「広い土台」が必要になるということです。これは学問の世界に限らず,皆さん方の多くが足を踏み出す企業経営の世界でもそうだと思います。人事職能なら人事職能で,多様な製品事業部を経験する。営業なら営業で,国内・海外で多様な地域を経験する。そして,その一コマ一コマで学習が必要になる,そういうことだと考えて下さい。 また,関連していま一つには,「わかりたい」という気持ちこそが大事なのだということ,この点を強調しておきたいと思います。「幽霊の正体見たり,枯れ尾花」という有名な言葉があります。敢えて勝手な例え方をすれば,研究を通して「正体」を突き止めれば,人を脅かす怪異な「幽霊」も消えて行くのだと思います。学問の深まりが,そうした意味で人間社会の「自由」を拡大する。今も心に残る,若い頃に先生から教わった考え方です。予め役立つこと,目的地を定めた研究も,たしかに必要でしょう。けれども,私は「わかりたい」という気持ちを,一番大切にして欲しい。そのように考えています。 とはいえ,まずは「隗より始めよ」とも言われます。卒論の評価基準というよりは,考察や研究論文の執筆の際の心がけだ,そのように考えて下さい。 <以上> |
キーワード1 | 外国人労働者 |
キーワード2 | 技術実習制度 |
キーワード3 | 地域の共生 |
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