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学科 | 社会学科 |
年度 | 2022 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 帰国子女の女子大学生のファーストキャリア選択 |
内容 | 日本の国際競争力の強化に向けて、帰国子女は「グローバル人材」として生きる可能性のあるものとして見られるようになったが、帰国子女の背景や能力は様々で全員が望まれる「グローバル人材」になるとは限らない。帰国子女の能力を活かすにはどのようなキャリア意識をもっているのかについて明らかにする必要があると考え、同志社国際出身の女性にインタビュー調査を行った。 結果、帰国子女は海外生活の中で語学力等の能力を身に付けていた。それらの能力は就職活動の中で評価され、仕事に活かしたいと考えていた。海外に住むことについては意見が分かれ、住みたいと考えている場合でも長期で住むことを希望していた。結婚を望む人が多く、出産後も働きたいと考えているが、家事の分担が前提となっていた。しかし、結婚を望む場合これらを実現するには男性が家事を負担できる働き方なのか、長期間海外に住むことが許されるのか等相手に左右される。そのため日本企業に勤める駐在員のようなグローバル人材になるには様々なハードルがある。グローバル人材の意味を幅広くとらえ、自身の望むライフスタイルに合わせて能力を活かす事ができる方法を探す事が必要であると考える。 |
講評 | この論文は、帰国子女の女性である筆者が、「グローバル人材」としての能力を求められることへの違和感から出発する。帰国子女に関する先行研究は異文化適応・帰国後再適応の問題、地域移動の志向性に関するものが中心で、キャリア選択に関する研究は乏しく、その意味で社会的意義が高い。筆者は、男性中心的な日本企業にとって都合のいい「グローバル人材」像を批判し、やりがいと家庭を天秤にかけることなく働き続ける道筋を模索する。本論文では、帰国子女の女性の大学4年生数名を中心にしたインタビュー調査に基づき、ファーストキャリア選択の論理が記述されている。ただし、その「グローバル能力」が生かされる道筋を具体的に考えるためには、就職後の状況を検証すべきだろう。また、本論文は帰国後の高校の国際教育に焦点を当てているが、大学教育の経験や役割についても考察したい。 |
キーワード1 | 帰国子女 |
キーワード2 | グローバル人材 |
キーワード3 | ジェンダー |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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