詳細 | |
---|---|
学科 | 社会学科 |
年度 | 2022 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | なぜ現代の若者は「レトロ」なものに惹かれるのか -昭和レトロブームと若者の消費傾向- |
内容 | デジタル化・情報化が急速に進展し日常のあらゆる場面において利便性が追求される現代。しかしその一方で、純喫茶や銭湯、駄菓子、フィルムカメラなど古き良きアナログ感のあるモノや空間が消費者を引き付ける現象、「昭和レトロブーム」が起きている。しかしこれは昭和生まれ世代が過去を懐かしむ「第1次昭和レトロブーム」ではなく、昭和の実体験がないデジタルネイティブなZ世代の若者たちが古いものに惹かれ愛着を抱くという「第2次昭和レトロブーム」が今現在盛り上がりをみせている。そこで、本研究では駄菓子屋、レトロ雑貨屋、純喫茶を営む方とその消費者の双方にインタビュー調査を行い、親世代と比較して若者の消費傾向や志向の変化を明らかにしつつ、なぜ昭和を実体験していない若者が古いモノや空間に惹かれるのかについて検討した。調査対象者の語りからは、常時接続時代ともいえる今「ゆるやかな程よいつながり」が求められていることが明らかとなった。また昭和レトロブームを加速させるZ世代の若者の新たな消費トレンドとして、アナログ的で心揺さぶられるエモーショナルな体験を求めるAE消費の高まりも発見することができた。 |
講評 | 昭和レトロ趣味の流れは1980年代に始まるが、バブル世代や団塊ジュニア世代のレトロ趣味と、Z世代のそれとの違いに着目したのが、本論文の独自性である。レトロ趣味を一括りにせず、純喫茶、駄菓子、雑貨という三つの主題の各々のブームの展開について、豊富な資料とともに丁寧に描き、レトロ趣味との関わり方の世代差が明確に説明されている。調査の目配りもよく、レトロ趣味に関わる商店関係者10名と消費者4名に対し、世代差にも注目しつつインタビューを実施し、その結果に基づいた丁寧な考察がなされている。ファスト風土やネットでの効率的な消費との対比が強調されているが、反面、ネット上の発信が若者のレトロ消費を動機づけているという指摘が興味深い。ただ、消費者の論理についてはもう少しサンプルサイズを増やして多様性を捉え、ジェンダー的な視点も含めて深めてみたい。 |
キーワード1 | 昭和レトロ |
キーワード2 | ノスタルジー |
キーワード3 | Z世代 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
戻 る |