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学科 社会学科
年度 2022
ゼミ名 小林 久高
タイトル 「ジョーカー」はどのような人々に愛されたのか
内容  本稿は、「映画は社会を映し出す鏡」と言われている中で、2019年に公開された映画「ジョーカー」がどのような人々の心に刺さり、これほど多くの反響を得たのか、明らかにするものである。
 初めに、「ジョーカー」と作風が類似し、監督が影響を受けたとしている「アメリカンニューシネマ」がなぜ1960年代?70年代の大衆に受け入れられたのか、時代背景とともに考察を行い「ジョーカー」と比較検討を行った。
 次に、「ジョーカー」特有の受け入れられた理由を探るべく、ジョーカーのセリフに焦点を当て現代人の思想と重なる部分について考察を行った。そして「希望のなさ」や「無秩序的指向」が両者に共通する意識として見てとることができた。加えて現代社会の社会構造に注目していくと、それらの思想を生み出す背景には新自由主義的な政策の下で進行している格差社会があることが分かった。
 不平等な世界を基盤として生まれた「希望のなさ」、「無秩序的指向」のどちらか、またはその両方の意識を抱いている人々にとって、すべての要素を持ち合わせたジョーカーは共感を寄せる存在であり、不平等が進行する現代で多くの大衆を魅了していると考える。
講評 着眼点がよく文章もいい。感性と論理的な明晰さを感じさせる論文だ。それだけにさらにつっこんで議論してほしいと感じた。アメリカンニューシネマの多くの映画と「ジョーカー」の共通点は無秩序、相違点は希望と絶望という議論。そうだよね。
キーワード1 ジョーカー
キーワード2 無秩序的指向
キーワード3 希望のなさ
キーワード4  
キーワード5  
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