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学科 社会学科
年度 2022
ゼミ名 小林 久高
タイトル 変化の時代を生きる若者の恋愛・結婚観 -順応性からひもとく-
内容  一見すると同時に起こることは理解しがたい「未婚化」「マッチングアプリ・結婚相談所の利用者数増加」「離婚率の上昇」、これら3つの事象が若者の間でなぜか同時に起こっている。本稿ではこれらの事象が同時に起こる要因を、若者の恋愛・結婚観さらには価値観などとともに計量データを使用しながら解き明かしていく。その際、現代の若者たちに求められる「順応性」に着目した。そしてその順応性を能動的/受動的に分け、「能動的非順応層」「能動的順応層」「受動的非順応層」「受動的順応層」の4類型を作成した。
 分析の結果、4層はそれぞれ特徴を持っていた。また3つの現象を支えている層はそれぞれ別々でありながらも、どの現象にも「受動的順応層」が関与していることが分かった。彼らは確固たる意志はもたないものの、周りに順応するように生きるのだ。そのため時代の流れに応じて、素直に反応するという特徴を持っている。そしてこの層が一定数存在し、個々の反応が蓄積することで、3つの現象が奇妙なことに同時に起こりうるのだ。今後の日本の社会問題を改善するためには、この「受動的順応層」の人々に注目しなければいけない。
講評 著者が考えに考えて書いた論文であることがよくわかる。問題設定→歴史的考察→計量分析→結論というきれいな流れが見られる。「受動的順応層は時代の要請に素直に反応している層であり、時代につくられ、社会現象を生み出していく層」だとする著者の議論には考えさせられるところも大きい。ところどころ筆が滑っているのも愛嬌。
キーワード1 若者
キーワード2 恋愛観
キーワード3 結婚観
キーワード4 受動的順応
キーワード5 生きやすさ
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