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学科 社会学科
年度 2022
ゼミ名 小林 久高
タイトル 現代に生きる若者が感じる息苦しさの正体 ─アポロンとディオニュソスの対立構造を用いた分析─
内容 本論文は,なぜ現代の若者が息苦しさを感じているのかという問いについて,ギリシア神話におけるアポロンとディオニュソスの関係性を手掛かりにして明らかにすることを試みたものである.
 本論は,バラバラに見える現象をアポロン・ディオニュソスの関係性によって再構築し,そこから見出される共通性を探るという,帰納法的分析の流れによって構成されている.まず,現代の若者に共通する現象について,炎上参加,禁煙ファシズム,暴走族の減少,援助交際,推し活,ひきこもりの6要素に注目して論じる.次に,ニーチェなどの定義を参照しながら「秩序」の象徴であるアポロンと「陶酔」の象徴であるディオニュソスの概念を提示する.そして,それらを組み合わせることで複雑な諸現象をアポロンとディオニュソスの関係性から説明できるようにする.最後に,諸現象を整理し,分析することで,現代の若者に息苦しさを感じさせている原因が規範の厳格化であり,それに対する若者の最も特徴的な反応として規範からの逃避が考えられるということを明らかにして,考察する.
講評 今年度提出された卒論すべての総まとめのような論文だ。炎上、引きこもり等、現代社会にみられる若者の行動、そしてその基礎にある閉塞感が、古典的な枠組みの再構築と活用によってうまく説明されている。多くの現象についての文献の渉猟はなかなか大変だったと思う。次なる課題は「なぜアポロン的規範がかくも跋扈しているのか」ということの考察だろう。
キーワード1 息苦しさ
キーワード2 アポロン・ ディオニュソス
キーワード3 逃避
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