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学科 社会学科
年度 2022
ゼミ名 森 千香子
タイトル まちづくり運動と自立生活運動の繋がり――1990年代から2010年代の日本自立生活センターを事例として
内容  本稿は、日本の自立生活運動が1970年代から始まったとする歴史観が自立生活運動研究において主流とされてきたことで、見落とされてきた障害者のまちづくり運動の自立生活運動との相互の影響を記述した先行研究を取り上げた。その先行研究も触れていなかった1990年代から2010年代前半の、つまり自立生活センター設立普及後の、まちづくり運動の影響を受けた自立生活センターの活動の特徴を見ることで、まちづくり運動に端を発する自立生活センターの姿を記述していく。
 本稿では、その具体的な事例として、京都市にある日本自立生活センターを取り上げる。同所が発行する機関誌『自由人』とのテキストを行う。
 これにより、まちづくり運動でもみられた「統合志向」が引きつづき見られるということ、また、障害者問題以外の反差別運動への関心を示しているということが明らかになった。
講評 障害者の自立生活運動と地域社会のつながりという実に重要な問題を取り上げた研究である。三回生の時より先行研究を丁寧に読み進め、情報の収集と整理を手堅く積み重ねてきた。先行研究のまとめは大変手堅く安定感がある。このような読解が、外部に開かれ、地域とつながる障害者運動のあり方として「障害者のまちづくり運動」に着眼するというオリジナリティの高い問題設定につながった。この問題をどのように研究するかという過程で試行錯誤を重ね、困難にもぶつかったが、苦しみながらも課題に立ち向かい、機関紙の丁寧な読み込みという実に地道な作業をかなりの強度で行い、ギリギリのところで論文にまとめ上げた。それは対象への深い共感と誠実さがあったからだと思う。
キーワード1 自立生活運動
キーワード2 まちづくり運動
キーワード3 「統合志向」
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