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学科 社会学科
年度 2022
ゼミ名 森 千香子
タイトル 「あざとい」が肯定的に評価される社会が意味すること―メディアの進化による認識の変化―
内容 「あざとい」と聞くとどのようなイメージを持つだろうか?「抜け目ない」「計算高くて好かない」と否定的に思う人が多いだろうか。しかし、近年では自分の個性を把握して存在感を放っていることから自己プロデュース力に長けているという見方が高まってきている。なぜ、このような好転が起こったのだろうか。この原因を探るためメイロウィッツの議論を用いる。メイロウィッツによると、電子メディアの発達は私たちが受け取ることのできる情報量を増大させ、感覚、思考、行動に変化を与えたという。SNSで自ら発信することが可能になったことからも明らかであるが、個人が持つ影響力が大きくなっている。これを踏まえ、情報環境の変化が「あざとい」の認識の変化に影響を与えたのではないか検討する。また、「あざとい」を好転させたといえるテレビ番組『あざとくて何が悪の?』ではどのように「あざとい」を取り上げているのかについてみていく。結論として、「あざとさ」は多様な価値観を持ち複雑化した人間関係の中で上手に渡り歩くためのスキルとして必要ではないかと導き出した。
講評 従来、否定的に捉えられてきた「あざとい」概念が近年、肯定的に評価されるようになってきたことに着眼し、その理由を分析するという本研究の目的は興味深い。分析の材料として「あざとい」をタイトルに掲げるテレビ番組の内容を網羅的に検討し「要領よく生きるためのスキル」という側面を浮かび上がらせたものよかった。しかし、SNSの分析とメイロウィッツの議論があまり噛み合っていなかったのと、「あざといを肯定的に解釈する社会」が何を意味しているのか、という社会学的な問いの追求が少し弱かった点が課題としてあげられる。
キーワード1 あざとい
キーワード2 振る舞い
キーワード3 情報環境
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