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学科 | 社会学科 |
年度 | 2022 |
ゼミ名 | 森 千香子 |
タイトル | サードプレイスの脱場所化 福井県在住の女性のプライベートの時間からみた新しいサードプレイスのあり方 |
内容 | サードプレイスとは「ファーストプレイスの家庭と、セカンドプレイスの職場・学校とは異なる独立した場所で、人々に幅広い交流を提供する公共の集い場」とアメリカの都市社会学者であるレイ・オルデンバーグによって提唱された。本来、女性は家事育児をする必要があり、自由に使える交友費を持てないことからサードプレイスは潜在的に男性に限定されていた。それは社会が変化し、女性の置かれた状況も変化してきた今日の日本でも同様であった。 そこで本論では、著者の出身地である福井県に在住の20代から70代の女性にインタビュー調査を行い、彼女たちのプライベートの時間を分析考察することでサードプレイスの新しいあり方を検討することを目的とする。 研究の結果、福井県の女性も男性と同じようにサードプレイスを持つことができると判明した。しかしそれらは従来のサードプレイスとは異なり、流動的で、ときには「場所」という概念すら消失する「脱場所化」されたものであった。この結果から、サードプレイスはより人々に身近な「とびきり居心地のよい場所」という新しいあり方に変化したという結論に達した。 |
講評 | 米国を中心に、豊富な蓄積のあるサードプレイス研究は、家庭でも職場・学校でもない場所における人間の営みに注目してきたが、従来の研究はサードプレイスを、飲食店をはじめとする消費空間やコミュニティスペースなど固定的な場所として捉えてきた。それに対して本研究は福井県在住の女性を対象に行った20件あまりのインタビュー調査にもとづいて、サードプレイスが必ずしも固定された場に限定されるのではなく、流動的な性格を持っていることを明らかにした。このようなサードプレイスの「脱場所化」は、サードプレイス研究に新たな論点を提示したという点で意義が認められる。 |
キーワード1 | サードプレイス |
キーワード2 | 女性 |
キーワード3 | 福井県 |
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