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学科 社会学科
年度 2022
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル 3つのアプローチからみる女性労働問題の変化-1992年から2022年にかけて
内容 本論文の問いは、1985年の男女雇用機会均等法成立から現在にかけての約30年余りの時を経て、女性の労働問題がいかに変化したのかである。本論文のオリジナリティーは、問いの検討にあたって、ドラマ分析・新聞分析・インタビュー調査の3つのアプローチを用い、女性労働問題の変化について明らかにしていることである。結果、アプローチの方法によって4つの相違点を捉えることができた。①職場での男女の平等化が、ドラマ・新聞では、大幅に進んだように描かれているが、インタビューでは、2022年現在になっても変わらず出世の速度などに差がある企業も珍しくはない。②労働問題の取り上げ方が、ドラマでは1992年と2022年の両年ともに多くの人が共感できる問題で一定していた一方で、新聞では、記事になる労働問題が特異化していた。③業務内容の男女差が、ドラマでは縮小傾向がみられた一方で、インタビューでは一定して個人差が大きかった。④社内恋愛に対する描かれ方・認識が、ドラマでは消極化していたが、インタビューでは一定して個人差があった。以上のように、3つのアプローチから結果を比較検討することで、より総合的に女性労働問題の変化を明らかにすることができた。
講評 女性の働き方はこの30年間で大きく変わった、と言われる。法制度だけ見れば、女性の働きやすい職場に向けた潮流があることは明らかである。しかし実際のところはどうか。そうした主題の研究は数多い。ドラマをはじめとしたフィクションの分析、新聞の論調の分析、実際に働く女性のインタビューによる分析などである。本研究はそれら3つの分析法のどれか1つを選ぶのではなく、組み合わせたときに何が見えてくるかを論じようとした点でユニークである。限られた時間で収集しえたデータは、必ずしも系統的なものとはいえず、不十分なところはある。そのなかでも、それぞれの調査特性を一定程度明らかにし、今後につながる展望を描いた点で評価できる。
キーワード1 ジェンダー
キーワード2 労働
キーワード3 メディア
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