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学科 社会学科
年度 2022
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル 大都市の地域社会においてオンデマンド交通が果たす役割と課題 ?大阪市生野区の「オンデマンドバス」を事例に?
内容  利用者の需要に応じて運行されるオンデマンド交通は、その性質から、公共交通の維持が難しい過疎地や、公共交通ネットワークの希薄な地方都市において多く導入されてきた。しかし、近年になって、公共交通の充実した大都市においてオンデマンド交通が導入されるケースが相次いでいる。大阪市生野区もその一つであり、ここで運行されている「オンデマンドバス」を事例に、大都市の地域社会においてオンデマンド交通はどのような役割を果たしているのか、またどのような課題を抱えているのかについて調査した。
 その結果、オンデマンドバスは着実に地域社会に浸透しており、「利用者のファースト・ラストワンマイルを補う」という役割を果たせていることがわかった。しかし、その一方で、既存の公共交通機関の利用者を「奪って」しまっていたり、一部の人をサービスから排除してしまっていたりするなど、負の側面が存在することも同時に明らかになった。
講評 路線バスは安いが柔軟性に欠け、タクシーは柔軟性があるが高い。その中間を狙うオンデマンドバスは、実際どのような機能を担いうるのか。本論文は、その問いをストレートに調べたものである。関心事は早い段階で定まっていた一方で、なかなか調査への協力も得られなかったこともあって、どのような観点から、どのような方法で調査するかがなかなか定まらず、正直冷や冷やした。最終的に公表データの2次分析と、利用者および競合業者のインタビューによって、形になった。全体的に分析的な枠組が緩く、報告書的な性格が強いが、オンデマンドバス実証実験の公的な報告書では取りこぼしてしまった実態を明らかにした点において、本論文の意義を認めることができる。
キーワード1 オンデマンド交通
キーワード2 大阪市生野区
キーワード3 公共サービスからの排除
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