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学科 | 社会学科 |
年度 | 2022 |
ゼミ名 | 板垣 竜太 |
タイトル | 承認という観点から見る「推し活」―日本のK-POPファンを事例に― |
内容 | 本稿では、ファンが「推し活」を通して承認を得ることができるという仮説のもと、日本のK-POPアイドルファンを事例に挙げ、彼女らの「推し活」の実態やその背景にある心理を当事者の視点から実証的に明らかにすることを目指す。そのために20代の女性のK-POPアイドルファン5名に対して、「インタビュー調査」を実施し、考察を行った。これらの調査結果から、K-POPアイドルのファンが、インターネットでの情報収集を重視していること、そしてファン同士の繋がりが「推し活」の満足度に影響を与えていることが分かった。またファンは「推し活」を通して、ファンコミュニティー内での承認と社会からアイドルに対する社会的承認を間接的に得ていることがわかった。さらに、アイドルに対する自己の投影だけではなく、アイドルの態度がファン自身に反映されることも明らかになった。これらはファン心理やオタク論だけにとどまる話ではなく、人間がもつ「自尊心」や「誇り」といったごく自然な感情から生まれるものだといえるだろう。 |
講評 | K-POPファンに関する研究もだいぶ蓄積してきたところがあるが、本論文は「推し活」をおこなうファン(もっといえば「オタク」)たちの心理を理解しようとするものである。著者は、ホネットの承認論からヒントを得て、集団内承認と一般的承認をK-POPに入れ込む人たちを突き動かすものとして取り出そうとした。K-POPファンをめぐる事象を、理論的な枠組の修正と組み合わせによって分析しようとする意気込みを、まず評価したい。ファンの動機や承認をめぐる態度にもっと多くのヴァリエーションがあることを想定して仮説を立て、質問項目を計画していたら、より豊かな議論ができたのではないかとも思われるものの、調査の結果として、集団的ないし一般的な承認が動機になっていないファンの存在が明確になった点など、重要な社会学的貢献をしたことが認められる。 |
キーワード1 | 推し活 |
キーワード2 | ファン心理 |
キーワード3 | 承認 |
キーワード4 | |
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