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学科 社会学科
年度 2022
ゼミ名 板垣 竜太
タイトル 第三の場としての図書館の可能性
内容  本稿は、図書館は第三の場として機能しているのかということを調査するために、西宮市立中央図書館において検証を行った結果を示す。第三の場には8つの特徴があるとされており、その8つの特徴の検証、加えて、8つの特徴以外に存在する特徴についても検討した。調査には、直接的観察と、利用者と司書の方々へのインタビューを中心としたフィールドワークを手法として用いた。結果として、西宮市立中央図書館は、第三の場の8つの特徴のうち、7つの特徴を満たしており、会話がおもな活動であるという特徴のみ満たさなかった。この結果は、図書館が第三の場ではないということを示すものではなく、図書館においては会話が重要視されておらず、他に重要視される特徴が人それぞれに存在するということを示すものである。人それぞれに重要視される特徴が存在しつつも、より多くの人々の要求を満たそうという司書の方々の働きがあることによって、多くの人々が図書館を居心地よい場所、つまり第三の場として捉えている。
講評 オルデンバーグの「第三の場」論は、カフェをはじめとした社交的な居場所の活性化が都市生活を豊かにするという考えのもとで提起されている。その観点からすると、静かなイメージのある図書館は一見「第三の場」にそぐわないように思える。本論文は、そこを正面から考察対象とした。議論はたいへん堅実であり、特になかなかインタビューの難しい利用者の話を聴き、かれらにとっての図書館とはどういう場なのかに近づこうとした点は評価したい。そこからさらにユーザー中心的な視点を掘り下げ、「第三の場」論の革新にまで持っていけたらよりよい論文になったと思うが、これはその重要な一歩を刻んだ論文ということができる。
キーワード1 図書館
キーワード2 第三の場
キーワード3 西宮市
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