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学科 | 社会学科 |
年度 | 2022 |
ゼミ名 | 板垣 竜太 |
タイトル | コロナ禍でのストリートカルチャー ――規制強化のなかでダブルダッチ活動を続けた若者の実態―― |
内容 | 本稿では、従来から批判の対象となりやすかった「ストリートカルチャー」の実践が、社会の監視の目がより強まったコロナ禍で、どのような影響を受け、どのように形をかえてきたのかを明らかにするため、関西でダブルダッチ活動を行う大学生を対象に、ヒアリング調査と参与観察を行った。その結果、コロナ禍で、所属する大学や体育協会の規制が強まり、調査した全ての団体が屋外の公共空間に活動拠点を移動させていたことが明らかとなった。そこでは、活動場所や人数などに対する配慮行動がとられており、活動方法を柔軟に「変化させる」ことで、活動を続けるということを「変化させない」ことに成功していたと考えられる。これは、既存のストリートカルチャー研究でも指摘されていた、「管理に対して直接的に衝突しようとはしない」態度と共通するものであった。また、活動場所を公共空間に移動させたことで、新たな出会いや地域の子どもたちとの交流も生まれていた。これは、人々のつながりが希薄化したと言われるコロナ禍や、従来の「排除」、「管理」されるストリートカルチャーのイメージとは正反対の現象が発見されたといえる。 |
講評 | 「若者」はいつの時代も非難の対象になりやすく、なかでも公共の場で目立つ存在であるストリートカルチャーはその矛先が向きやすく、これまでもさまざまなレベルのポリシングの対象となってきた。コロナ禍でそれがどのように作用したか、そのなかでストリートカルチャーの担い手はどのような戦略で活動を続けるのか。本論文はこうした問題にダブルダッチを事例として取り組んだ。研究史上の整理、研究の方法などは手堅く、制限のあった事例だけなく、もともとあった配慮行動の関係で変化しなかった事例や、新たな出会いなどがあったことなど、場所の特性に目配りしながら調査してはじめてわかったことも興味深い。考察でさらに深められたらよいと思う面もあるが、ストリートカルチャーの社会学として秀作である。 |
キーワード1 | ストリートカルチャー |
キーワード2 | コロナ |
キーワード3 | 若者 |
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