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学科 メディア学科
年度 2022
ゼミ名 竹内 幸絵
タイトル ビデオ・アシスタント・レフェリーはサッカーを魅力的にしたのか
内容  近年、スポーツとテクノロジーの融合の波が押し寄せ、進化を続けている。本論文ではこの中でもサッカーのビデオ判定であるビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)に焦点を当てた。前半では先行研究で集計された2018 FIFAワールドカップのVAR使用データをまとめ、2022 FIFAワールドカップのデータを同じように自ら調査し、集計した。この2つを比較し、VARの使用回数がより増えたかなどを分析した。後半では、サッカーファンを中心に意識調査を計2回行い、分析を行った。
前半の調査では、4年でVARの使用回数が5件、使用率が8%ほど増えたことが分かった。後半の調査では、VARに賛成の数に関しては1回目が7割、2回目が9割を占めた。魅力度に関しては、1回目は2割が魅力的と答え、2回目は約半数が魅力的と答えた。分析から介入時間の長さや介入回数の多さ、判定の不透明性等の課題であると分かった。課題を改善し、また進化し続けるVARが見られることを期待したい。
講評 筆者はこのテーマを定め、1年間全くぶれずに走り切った。そして後半、時代は彼においついた! 
春学期の最初に筆者はゼミでテーマについてこう話していた。「ビデオ判定(VAR)という方法が導入されてスポーツはどう変わったのか、これを自身がずっと続けてきたサッカーで調べたい」。指導者は、スポーツのビデオ判定って、日本では相撲などで早くから使われ出したよな、程度しか情報を持たなかった。しかし彼曰く、サッカーでもVARは2017年からイタリアとドイツのリーグで導入され、2018年にはロシアワールドカップなどの国際大会でも導入され、2021年からは日本のJリーグでも導入された。そして奇しくも今年は4年に一度のワールドカップ開催の年。カタール大会はこの一年の終盤、2022年11月20日から12月18日に開催された。
当初は2018年のワールドカップのVAR利用に関するデータ集計と、サッカー愛好者を中心とした対象者に向けたVARへの意識調査をもとに論文を書き上げる予定だった。しかしカタール大会で劇的な勝利を遂げたスペイン戦での『1ミリの軌跡』と呼ばれるVAR判定が、日本国内で大きな話題となった。それはもう11月も終盤だったのだが、これ以後を調査対象にしないで卒論を終えると悔いが残る、と、卒論提出までの残りのひと月で2022年のワールドカップのVAR利用に関するデータ集計と、一般に向けたVARへの意識調査サーベイにも取り組んだ。そしてこれを2018年と比較するという大技を見せてくれた。滑り込みセーフだったが俊足で駆け抜けた。VARのサッカーへの利用に関する日本人の意識のターニングポイントを拾った最初の、大袈裟に言えば歴史的な成果といえるだろう。自身も英国戦観戦にカタールに赴き、そこでの劇的勝利を現地で味わったという。静かな闘志を見せてくれた彼の論文のタイムリーな完成を祝いたい。
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