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学科 教育文化学科
年度 2022
ゼミ名 奥井 遼
タイトル 漁業者たちの労働観―ホタテガイ養殖会社における事例から―
内容 本稿は、第一次産業の中でもそのキャリアに関する研究が少ない漁業におけるキャリアについて個人の側からの接近を目指し、漁業に携わる人々のキャリア観・労働観およびそれに影響を与えているであろう要因、漁業の職場がキャリアの中でどのように位置づけられているかを記述したものである。筆者は短期間ではあるが北海道のホタテガイ養殖会社Rで働き、そこで働く人々の様子を観察した。Rでの働き方は多様で、それぞれの立場によってキャリアにおけるRの位置づけは異なる。彼らはホタテガイ養殖の仕事を通じて、自然や社会の変化、この仕事がいつまでできるかわからないといったことを、頭で理解するだけでなく身体全体で感じてもいる。近年の社会の急激な変化により個人のキャリア形成の必要性が高まっているとされるが、彼らの働き方や感じ方はキャリアについて考えるうえで示唆に富むものであるといえる。
講評 筆者は、今日の画一化されたキャリア観・労働観に関する強い問題意識を抱き、北海道のホタテ貝養殖会社において住み込みアルバイトをしながら研究を進めた。養殖業に従事する人たちは、絶えず変化する自然環境や人的資源をめぐる状況に対処しながら、将来の展望を柔軟に持ちつつ、日々の労働を円滑に進めるために知恵を絞っている。本稿は、現場で働く当事者たちの顔がありありと浮かぶような文体から、オフィスワークを自明のものとする今日のキャリア教育の前提に疑問を投げかける。理論的な考察部分に発展の可能性を残しつつ本格的なフィールドワークをふまえた労作である。
キーワード1 漁業
キーワード2 キャリア
キーワード3 労働観
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