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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2022 |
ゼミ名 | 奥井 遼 |
タイトル | 「子どもらしい絵」とは何か―街の小さな美術教室での参与観察を通して― |
内容 | 本稿は、「子どもらしい絵」がどうして生まれるのか、なぜ子どもの頃にしか描けないような絵があるのか、私たちが「子どもらしい」と感じる理由は何かを明らかにすることを目的としている。これまで数多くなされてきた児童画研究をふまえて、本稿では「知的リアリズム」と「視覚的リアリズム」の概念を軸として考察を進める。具体的な題材として、街の絵画教室でのフィールドワークにおいて得られた事例およびインタビューを取り上げる。子どもならではの描画方法の特徴を具体的な例とともに挙げることによって、子どもらしい絵が生まれる理由として、子ども特有の事物の把握方法や、事物を眼差す視覚(認識)のあり方が関係していることが示された。また、筆者自身も美術教室に身を置くことで、子ども一人ひとりに向き合うことのできる場所ならではの子どもの絵との向き合い方があることが明らかになった。 |
講評 | 絵画教室での参与観察やインタビューを題材として、子どもにおける創作活動の特徴を明らかにした論考である。未熟でありながら独特の魅力を放つ「子どもらしい絵」の制作プロセスに焦点を当て、それが認識能力の特異性によるものであることを論証する。また、絵画教室を切り盛りする指導者のライフヒストリーにも言及しつつ、描き手それぞれの独自な絵を引き出すための指導法も明らかにする。教科教育としての美術教育をも包括するような、絵画を通じた人間形成の可能性の一端を示している。 |
キーワード1 | 子どもらしい絵 |
キーワード2 | 知的リアリズム |
キーワード3 | 視覚的リアリズム |
キーワード4 | 美術教育 |
キーワード5 | 認識 |
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