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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2022 |
ゼミ名 | 奥井 遼 |
タイトル | 身体を通した変容的学習 -合気道の稽古の事例からの考察- |
内容 | 本稿では、身体を通した変容的学習の様相を分析し、明らかすることを試みた。調査方法としては、京都市内の合気道道場をフィールドと定め、自身も稽古者となることで参与観察を行った。事例では、合気道の基本の動きとされる「体の転換」、合気道における「教え方」に着目した。「体の転換」では、馴染みのある身体動作の「否定」の経験が、動きの習得を阻む認識的前提の意識化を導くとともに、意識化に基づく差異を通した学びの可能性を示唆した。「教え方」では、言葉と動きに着目し、言葉よりも身体やわざの全体的な感覚を志向することが特徴であると推察した。さらに、この教え方が、稽古者における「頭で考えて動く」認識的前提を絶えず意識化させるはたらきを持つと考察した。また、他の稽古者への聞き取りにおいて、身体の「老い」といったライフサイクルの中での変容の様相を明らかにした。 |
講評 | 学習を通じた変容という現象をめぐって、とりわけ身体技法を獲得するプロセスに着目し、合気道の稽古に身を投じる者として一人称的な視点から考察する論考である。その際、すでにわざを身につけた達人としてではなく、学習の途上にある学び手の経験的変容を描き出そうと試みる。従来論じられてきた認知面での変容のみならず、知覚や感覚といった身体的経験の変容の意味を、具体的な事例の記述を通して探求している。理論的な展開や論文全体の構成に改善の余地は見られるものの、経験的事象を細やかに描く筆力によって、読み応えのある論考にまとまっている。 |
キーワード1 | 合気道 |
キーワード2 | 稽古 |
キーワード3 | 身体 |
キーワード4 | 変容的学習 |
キーワード5 | 教育 |
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