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学科 教育文化学科
年度 2022
ゼミ名 奥井 遼
タイトル 現代における商店街の可能性―3つの商店街の事例からみる寛容さと頑固さ―
内容 本稿では、関西圏にある3つの商店街をフィールドとして、現代における商店街の可能性について、商店街に関わる「人」というミクロな視点からコミュニティ形成の様子を明らかにした。調査の結果、現在でも若者が多く新規出店する商店街では、老舗店舗が積極的に若者を支援する寛容さが存在していることが示唆された。またそれらの商店街には寛容さのみならず「昭和気質」とも言える保守的な頑固さも見られ、そのいびつなバランスとそれに伴って生じる「緊張感」が商店街独自の小売システムとコミュニティを醸成していることが示された。これらの「寛容さと頑固さ」の共存、さらに他の小売形態と比較した際の新規出店の容易さなども含め、概して「流動性の高さ」が現代における商店街の最大のポテンシャルであることが示された。
講評 商店街における独特の活気に興味を抱いた筆者が、商店街が今日「元気」でいられる可能性をめぐって、ミクロな視点から商店街の構造を描き出そうとする論考である。参与観察やインタビューを通じて、とりわけ商店街を動かす人たちに注目し、店舗や商品に関する「頑固さ」と、新しい企画に対する「寛容さ」の両方を持ち合わせていることが商店街活性化の鍵であると説く。論文構成やリサーチクエスチョンの定めかたの点で苦しんだが、三つの商店街でフィールドワークを行なった地力は評価されてよい。
キーワード1 商店街
キーワード2 コミュニティ
キーワード3 零細小売店
キーワード4 寛容さと頑固さ
キーワード5 流動性の高さ
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