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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2022 |
ゼミ名 | 奥井 遼 |
タイトル | 古いものが集まる新しい場所―古物商の語りから見る平安蚤の市の独自性― |
内容 | 平安蚤の市は、長い歴史を持つ〈弘法市〉〈天神市〉が開催される京都市で、2019年に誕生した新しい蚤の市である。一見どのような用途を持つのかわからない古いモノたちが、値札もつけられないまま、ランダムに、しかし魅力的に並べられている様子が特徴的な市だが、現地でしか味わうことのできない独特の雰囲気を言語化することは容易ではない。そこで本稿では、京都市内で開催される蚤の市の比較、および平安蚤の市の運営者と出店する古物商へのインタビューから、平安蚤の市の様相を示し、8つの独自性を明らかにした。本稿で明らかになった平安蚤の市の独自性は、古物業界を新たな視点で見つめるきっかけになり得る。伝統にとらわれないシステムで運営されている点や、若い古物商が集まり、実験的な表現や販売を行なっている点に着目すると、平安蚤の市は、古物商と蚤の市の関係性が時代と共に変化する可能性を示唆していると言える。 |
講評 | 蚤の市という場に魅了された筆者が足かけ四年かけて積み上げてきた論考である。学際領域的に先行研究を首尾よく渉猟した上で、蚤の市当日の参与観察はもちろん、他の骨董市・手づくり市との比較、出店するスタッフへの聞き取りや仕入プロセスの観察など、蚤の市を支える舞台裏への調査も地道に行った。蚤の市が、骨董品をめぐる商品売買の場として機能することはもちろん、陳列をめぐる表現/記憶の継承/環境活動といった複数のテーマが折り重なることにも目を配りつつ、蚤の市独特の魅力を十全に論じた力作である。 |
キーワード1 | 定期市 |
キーワード2 | 蚤の市 |
キーワード3 | フリーマーケット |
キーワード4 | 骨董市 |
キーワード5 | 古物商 |
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