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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2022 |
ゼミ名 | 奥井 遼 |
タイトル | 「ハーフ」の「自分」が揺らぐ経験―エスニックルーツを基盤としたアイデンティティとの折り合いの付け方― |
内容 | 本稿では、現在日本に住んでいる「ハーフ」に着目し、かれらの生活経験やアイデンティティ形成を、ライフストーリーインタビューを通じて調査した。調査の結果、かれらは生い立ちや来歴を背負いながら、それぞれ異なる「自分」が揺らぐ経験をしており、それぞれが独自のアイデンティティに辿り着いていたことが分かった。その際、「インターセクショナリティ」や「文化間移動」といった契機をも踏まえて多角的に検討する必要が示された。かれらは、周囲との交流や住んでいる社会に対する気づきを通して、社会での自己の立場を認識し、その文化をどこまで自分のものとするかを自ら選択している。また、その都度エスニックルーツを基盤としたアイデンティティとの折り合いを再構築し、自己提示の仕方を調節してもいる。本稿の考察を通じて、かれらは、押し付けられた自己をそのまま受け入れるのではなく、自ら解釈し直し、選択する、主体的な存在でもあることが明らかになった。 |
講評 | 「ハーフ」と呼ばれる人たちに対するライフストーリーインタビューを軸に、かれらがグローバルに移動を重ねたり周囲との軋轢を経験しながら自らの存在をいかに意味づけているのかを問う。丹念な聞き取りによって、与えられた環境に安住することなく移動を試みたり、他者からの眼差しに違和感を覚えながらも主体的に自らのアイデンティティを構築するありようが明らかになる。インタビュー対象者はいずれも20歳前後の若者である。本稿は、青年期を生きる者として自らの輪郭を定めつつある当事者の、貴重な語りの記録でもある。 |
キーワード1 | ハーフ |
キーワード2 | アイデンティティ |
キーワード3 | エスニックルーツ |
キーワード4 | ライフストーリー |
キーワード5 | |
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