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学科 教育文化学科
年度 2022
ゼミ名 兒島 明
タイトル 日本文化における自尊感情の育み ―競争社会を生き抜くために―
内容  本稿では、日本の自尊感情が低い原因を明らかにするため、文化的自己観に注目し日本文化ならではの自己観の特徴をとらえ、それが自尊感情にどのような影響を及ぼすのかを検討した。日本は他者との関係性を重視するあまり比較による優越感を通して自尊感情を育んでいるのだが、この自尊感情は不安定であり脆い。また、競争社会で日本人が生きていくには競争に勝ち自己アピールをする必要があるが日本人はそれを苦手としている。このような状況の中で日本人が満足感や生きがいを持つには「ありのままの自分」を認識し受け入れるという基本的自尊感情を育む必要があることが論文研究から明らかとなった。そして、この自尊感情は自分をさらけ出す覚悟と勇気が必要だが、それを受け入れてくれ無条件の愛を注いでくれる存在も必要がある。その 存在として学校と家庭が大きな役割を果たすという考察に至った。
講評  現代日本人の自尊心の低さの原因を問い、改善の道を探る論考です。問題を個人の属性に還元するのではなく、文化的自己観との関連で捉え、社会的自尊感情の優勢と基本的自尊感情の不足をもたらす日本文化の特徴こそが低い自尊感情の根底にあることを粘り強く考察しています。「自分をさらけ出す強さと覚悟を身につけると同時に、周りの人がありのままの自分をさらけ出したときに認め受け入れる姿勢を整えなければならない」との結語に清々しさを感じました。
キーワード1 基本的自尊感情
キーワード2 相互協調的自己観
キーワード3 競争社会
キーワード4 良い子
キーワード5 自己卑下
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