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学科 産業関係学科
年度 2022
ゼミ名 寺井 基博
タイトル 「経済」分野における日本の男女間格差―育児休業の観点から考える―
内容 本稿では、今年大幅な改正が行われ注目を集めている育児休業に焦点を当て、世界から大きく遅れを取っている経済分野における日本の男女間格差について論じる。そのために、2章から4章では、日本の育児休業法の制度概要や法改正に触れた後、男性の取得推進が日本の大きな課題であると明らかにし、改善策として行われている「イクメンプロジェクト」を大きく取り上げた。育児休業という1つの制度から、日本の労働や家庭に関する社会全体の課題が明らかとなり、政府が法改正まで行い推し進めようとしている男性の育児休業取得は、現在は表面的な解決策でしかないと考えた。本質的に日本の男女間格差を無くしていくには、雇用形態や評価制度,慣習や雰囲気といった他領域にわたる大改革が必要不可欠であることが明らかとなった。しかし、このコロナ禍によりその大改革が必要でなくなり、自然な変化として起きているため、私たちが考えているよりも早く日本は“真”の男女平等になるかもしれない。
講評 本研究は、男性の育児休業取得促進施策(イクメ
ンプロジェクト)を評価して、男女間の経済格差の是正に向けた課題を明らかにすることを試みている。筆者は、イクメンプロジェクトは「育休取得率の向上」のみに注力され、男女の経済格差の是正に切り込めていないことを明らかにしている。さらに、自立型のキャリア形成が広まる中で、キャリアの主観的側面(能力発揮・自己実現の欲求)を基調とする現行政策から、客観的側面(職務経歴やスキル形成)に軸足を移行すべきと主張する。具体的な課題の方向性が示された力作である。
キーワード1 育児休業
キーワード2 女性活躍推進
キーワード3 ワークライフバランス
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