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学科 産業関係学科
年度 2022
ゼミ名 上田 眞士
タイトル 地方の雇用促進について
内容 本論文では、地方においての雇用・経済活動の苦しい現状について取り上げ、その現状を打開し、雇用を創出していくためにはどのような対策を講じる必要があるのかについて考察していく。その過程で、地方の雇用促進のためにはまず前提として、地域自体の魅力向上が条件になってくると考えた。若年層の流出を止める、あるいは外部からの人材を呼び込む際に、その地域で働きたい・住みたいと思えるだけの魅力があるかどうかはとても重要な要素になってくる。その地域の魅力を高める取り組みとして、最低限の公共機関・施設や生活インフラの整備は必要不可欠である。それを前提としたうえで、地方に雇用を生み出す取り組みとして企業誘致は非常に効果的であると考えた。その企業誘致においては、自治体が主導となり、企業に対して支援体制の整備・交通網などの整備・誘致事業の的確な選定というポイントを押さえつつ、粘り強くアプローチをしていく必要がある。
講評  皆さんから提出された卒論のテーマを分野別に大きく括ってみると,「幸福度とWLB,働き方改革」「非正規雇用の労働問題と企業別組合」「AI社会における営業職の働き方」「美容師の働き方と労働環境」「東京一極集中と地方における雇用創出」等々となっています。たしかに個々の論文を取り上げてみると,その内容に精粗や優劣もあったように思います。けれども,コロナ禍の下での就職活動という困難の中でも,卒論作成という課題に対して,基本的にはゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた。そのように考えています。そこで,以下では皆さんが苦労をしてくれた研究論文の執筆というものをめぐって,わたしが大事だと考える要点を簡単に指摘して,それを卒論作業の締め括りの講評としたいと思います。
 まず労働問題に限らず様々な社会的課題に,積極的な関心を持つということが,第一に大事な点だと思います。成長を第一義にしてきた経済社会は,格差社会の問題一つをとってみても,少なくとも先進国を見る限り,今日,大きな曲がり角に差しかかっているように思います。論ずべきこと,解明すべきことは,多発的でありしかも多層的であるといって良いでしょう。そのような社会的課題と切り結び,現実に対して緊張感を持って立ち向かう姿勢が,やはり社会科学の領域の研究には必要です。
 また少々矛盾するようですが,論文の出来映えを決めるものは,政策提言の良否にではなく,問題把握や理解の深さにこそあるのだということ,この点も第二に大事なポイントであるように思います。言い換えれば,「わかりたい」という気持ちこそが大事なのだ。この点を強調しておきたいということです。昔からの有名な金言に「幽霊の正体見たり,枯れ尾花」という言葉があります。敢えて勝手な例え方をすれば,研究を通して「正体」を突き止めれば,人を脅かす怪異な「幽霊」も消えて行くのだと思います。社会科学的な認識の深まりが,そうした意味で人間社会の「自由」を拡大する。今も心に残る,若い頃に私が先生から教わった考え方です。役立つこと,実用的であることも確かに大事です。けれども私は「わかりたい」という気持ちを一番大切にして欲しい。そのように考えています。


キーワード1 雇用創出
キーワード2 地方創生
キーワード3 少子高齢化
キーワード4 東京一極集中化
キーワード5 企業誘致
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