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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2022 |
ゼミ名 | 上田 眞士 |
タイトル | 現代におけるより良い働き方 |
内容 | 本論文では、日本的雇用慣行とワーク・ライフ・バランス支援の観点から現代におけるより良い働き方について考えた。いくつかの労働に関する実態調査から、時間外労働の現状は以前よりも改善されているがまだまだ高水準で推移していることが示されている。 長時間労働の原因としては日本的雇用慣行における6つの側面が問題視されている。ここでは長時間労働は日本的雇用慣行の制度補完性と文化的特性が生み出した副産物として考えられている。 そして現代社会における働き方というものは移り変わっている。コロナ禍におけるテレワークの普及、ワーク・ライフ・バランスの充実が求められるようになってきている現代社会においてどのようにして企業は人材マネジメントを行うべきであるかというところが述べている。 現代におけるより良い働き方というのは、「WLB支援制度を積極的に活用することで自分の求めるライフスタイルを実現し、それによって高い労働意欲を持って仕事に取り組み企業へと貢献する」ことであり、企業目線では、「WLB支援制度を活用しやすい人材マネジメントを行い、社員の多様な価値観を受容できる職場風土を形成する」ことが必要だと述べている。 |
講評 | 皆さんから提出された卒論のテーマを分野別に大きく括ってみると,「幸福度とWLB,働き方改革」「非正規雇用の労働問題と企業別組合」「AI社会における営業職の働き方」「美容師の働き方と労働環境」「東京一極集中と地方における雇用創出」等々となっています。たしかに個々の論文を取り上げてみると,その内容に精粗や優劣もあったように思います。けれども,コロナ禍の下での就職活動という困難の中でも,卒論作成という課題に対して,基本的にはゼミ生皆が真面目に取り組んでくれた。そのように考えています。そこで,以下では皆さんが苦労をしてくれた研究論文の執筆というものをめぐって,わたしが大事だと考える要点を簡単に指摘して,それを卒論作業の締め括りの講評としたいと思います。 まず労働問題に限らず様々な社会的課題に,積極的な関心を持つということが,第一に大事な点だと思います。成長を第一義にしてきた経済社会は,格差社会の問題一つをとってみても,少なくとも先進国を見る限り,今日,大きな曲がり角に差しかかっているように思います。論ずべきこと,解明すべきことは,多発的でありしかも多層的であるといって良いでしょう。そのような社会的課題と切り結び,現実に対して緊張感を持って立ち向かう姿勢が,やはり社会科学の領域の研究には必要です。 また少々矛盾するようですが,論文の出来映えを決めるものは,政策提言の良否にではなく,問題把握や理解の深さにこそあるのだということ,この点も第二に大事なポイントであるように思います。言い換えれば,「わかりたい」という気持ちこそが大事なのだ。この点を強調しておきたいということです。昔からの有名な金言に「幽霊の正体見たり,枯れ尾花」という言葉があります。敢えて勝手な例え方をすれば,研究を通して「正体」を突き止めれば,人を脅かす怪異な「幽霊」も消えて行くのだと思います。社会科学的な認識の深まりが,そうした意味で人間社会の「自由」を拡大する。今も心に残る,若い頃に私が先生から教わった考え方です。役立つこと,実用的であることも確かに大事です。けれども私は「わかりたい」という気持ちを一番大切にして欲しい。そのように考えています。 |
キーワード1 | 長時間労働 |
キーワード2 | 日本的雇用慣行 |
キーワード3 | ワーク・ライフ・バランス(WLB) |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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