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学科 産業関係学科
年度 2009
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 高齢者雇用について
内容  日本の高齢化は急速に進行している。2008年の日本の男性の平均寿命は79.29年、女性の平均寿命は86.05年でともに過去最高となった。それに伴い、2009年現在の高齢化率は22.5%となり、21%を超えて超高齢化社会に突入している。同時に、若年層の人口減少が重なり、労働力人口は減少している。労働力人口の減少は、社会全体の活力の低下につながる重大な問題である。そんな中で、働く意欲のある高齢者を労働力として迎えることは、超高齢化社会を乗り切るにあたって必要不可欠である。本論文では、高齢者の働く環境に焦点をあて、現在、高齢者がどのように働いているのか、あるいは高齢者が今後どのような働き方を希望しているのかについて分析した。定年をむかえれば、一律に引退するのではなく、引退する人もいれば、継続就業する人もいるという柔軟さがこれからの社会には必要である。さまざまな選択ができ、その中でいきいきと働く高齢者の姿をみることは、若い年代の人々にとっても将来の不安を軽減し、超高齢化社会を明るい気持ちで暮らすことにも関係するであろう。
講評 暮れの提出を経て、一昨日ようやく卒論の口頭試問が終了した。日本の貧困問題、非正規労働問題、女性雇用とワークライフバランス、日本農業の自立など、今年も若さというアンテナが捉えた時代を反映したテーマが並んだ。テーマ設定それ自体から、若くはない私はいろいろと学ぶことが多かった。教員はこのようにも学ぶのだということを、学生の皆さんに教えてもらった。以下、私の講評を書いていこう。
卒論を読むなかで感じたことの一つは、データの吟味が足りないということである。自己の主張を証明するデータを捜すことのみに気を取られ、データーの質に対する吟味がおろそかになりがちであった。したがって、そのデータをどのように使用したならば自己の主張の正しさを証明できるのか、論文の論理の構築が今一歩であるものも見受けられた。
卒論を読んでいて感じたもう一つの感想は、歴史的パースペクティブから卒論のテーマと格闘するという視点が弱いということである。しかし、これは別に卒論に限らない。授業で学生の皆さんの意見を聞いたり、試験答案やレポートを読んでいても常々感じることである。なぜある事柄がそのような状態で、そこにあるのか。そのことにはもちろん問題がたくさんある。早急に解決が求められることも確かである。しかし、そのことがそうであることには何らかの理由があったのであり、そのことがそうなっていることを、歴史的パースペクティブの中で考察することなしに、今後の解決策を考えることはできないであろう。また、そのような長い時間軸での考察なしに作られる解決策は長くもたないものにしかならないのではないか。皆さんはどう考えるであろうか。

キーワード1 高齢化
キーワード2 高齢者雇用
キーワード3 引退
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