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学科 | 社会学科 |
年度 | 2022 |
ゼミ名 | 轡田 竜蔵 |
タイトル | 機能分散型ゲストハウスの研究 |
内容 | 新型コロナウイルス感染症によって観光業が大打撃を受ける昨今、観光の在り方が問われている。日本最大の観光地である京都もその例外ではない。ポスト・コロナを見据え、観光客の増減に囚われない「持続可能な観光」が模索されている。そこで地域を地元の人と同じ目線で楽しむ「本物志向」の観光体験に着目した。「暮らすように旅する」概念から、機能分散型ゲストハウスによって今後の観光は持続可能に転ずるのではないかと考えている。調査では京都府内のゲストハウスへのインタビュー及びフィールドワーク調査を行った。ゲストハウスの持つ「人と人をつなぐ」役割は、宿泊客同士や地域住民とのつながりを生み出し、観光客がその地に再び訪れる要因になっている。「人と場所をつなぐ」役割は、ゲストハウスを起点として地元ならではの飲食店や銭湯を体験することで、それまでその場所に縁が無かった人々も地域の暮らしに触れることができ、関係人口創出に繋がっている。ただしゲストハウス側の実態として、サービスの質の維持や、目指すターゲット層と実際の客とのギャップといった諸問題が見受けられた。 |
講評 | 地域全体を一つの宿泊施設に見たてた「機能分散型ゲストハウス」(いわゆる「まちやど」)を中心に「暮らすように旅する」観光のあり方を考察した論文である。筆者は、4つの地域のゲストハウス(うち3か所は京都府北部、1か所は京都市西陣)に実際に宿泊し、宿のスタッフや宿泊客と交流し、関係性を築いたうえでインタビューをしている。自身の宿泊体験をライブ感のある記述でまとめた点が特筆できる。取材対象となった4つのゲストハウスは、いずれも老朽化した空き家が多い低層住宅密集地帯に立地し、その「まちやど」化の構想の背景には、地域イメージをポジティブにコンテクスト転換する意図がある。だが、筆者の取材からは、仕掛け人のビジョン通りに「まちやど」が機能することの難しさも示唆される。「機能分散型ゲストハウス」の立地する地域の文脈に分け入り、さらに考察を深めたい。 |
キーワード1 | 機能分散型 |
キーワード2 | ゲストハウス |
キーワード3 | 暮らすように旅する |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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