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学科 産業関係学科
年度 2009
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 女性の生き方――変わる結婚観――
内容  社会的経済状況等により、人々の結婚観は変化してきた。少子化や晩婚化、雇用形態の変化などの様々な社会変化が生じる中で、どのように人々の結婚観は変わってきたのか、本論文では一つの代表的な女性の生き方、生活スタイルである「専業主婦」に着目し、昔から現在に至るまでの女性の結婚観の変化について論じた。現在の女性にとって、日本は結婚・子育てをしやすい国であるとは言えないだろう。本論文では、主に子育てと仕事を取り巻く環境、女性の労働スタイルの変化、変わる結婚生活、主婦生活の多様化について取り上げた。分析の結果、以下の諸点が明らかになった。非正規雇用の増加による雇用の不安定化や、女性が社会進出していくことにより、男女にとって結婚は「人生の選択肢の一つである」という考え方が浸透しつつある。そのため未婚率は年々上昇し、このままではいつまでたっても少子高齢化の進行に歯止めをかけることができなくなる。女性が結婚や子育てを積極的にするには、男女でワークライフバランスについての再考することが重要であり、社会支援制度の充実も不可欠である。
講評 暮れの提出を経て、一昨日ようやく卒論の口頭試問が終了した。日本の貧困問題、非正規労働問題、女性雇用とワークライフバランス、日本農業の自立など、今年も若さというアンテナが捉えた時代を反映したテーマが並んだ。テーマ設定それ自体から、若くはない私はいろいろと学ぶことが多かった。教員はこのようにも学ぶのだということを、学生の皆さんに教えてもらった。以下、私の講評を書いていこう。
卒論を読むなかで感じたことの一つは、データの吟味が足りないということである。自己の主張を証明するデータを捜すことのみに気を取られ、データーの質に対する吟味がおろそかになりがちであった。したがって、そのデータをどのように使用したならば自己の主張の正しさを証明できるのか、論文の論理の構築が今一歩であるものも見受けられた。
卒論を読んでいて感じたもう一つの感想は、歴史的パースペクティブから卒論のテーマと格闘するという視点が弱いということである。しかし、これは別に卒論に限らない。授業で学生の皆さんの意見を聞いたり、試験答案やレポートを読んでいても常々感じることである。なぜある事柄がそのような状態で、そこにあるのか。そのことにはもちろん問題がたくさんある。早急に解決が求められることも確かである。しかし、そのことがそうであることには何らかの理由があったのであり、そのことがそうなっていることを、歴史的パースペクティブの中で考察することなしに、今後の解決策を考えることはできないであろう。また、そのような長い時間軸での考察なしに作られる解決策は長くもたないものにしかならないのではないか。皆さんはどう考えるであろうか。
キーワード1 専業主婦
キーワード2 結婚観の変化
キーワード3 ワークライフバランス
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