詳細
学科 産業関係学科
年度 2009
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 働く女性の実情――企業におけるワークライフバランス――
内容  かつては夫が働き、妻は専業主婦として家庭の役割を担うという形が一般的であった。しかし、今日では、勤労者世帯の過半数が共働き世帯になるなど、ライフスタイルが多様化している。その一方で、職場では、従来の働き方や男女の役割分担が根強く残っている。男性の育児休暇取得率は1.56%にとどまり、家事・育児時間は先進諸国と比較しても最低の水準である。子育てを仕事と同等程度に優先させたいと希望している男性は多いものの、仕事を優先せざるを得ない現状となっている。このような結果、女性に家事・育児の負荷がかかっていることが、女性の継続就業を困難にしている。今後は、男性も女性も子育てをしながら働くことができる社会を実現する必要がある。そのためには、ワークライフバランスに向けての取り組みをすべての労働者を対象として推進し、父親も子育てにかかわることができるように長時間労働の抑制など働き方の見直しを進めなければならない。男性が子育てにかかわることができるようにすることは、男性の希望でもあり、女性の継続就業を容易にするためでもある。
講評 暮れの提出を経て、一昨日ようやく卒論の口頭試問が終了した。日本の貧困問題、非正規労働問題、女性雇用とワークライフバランス、日本農業の自立など、今年も若さというアンテナが捉えた時代を反映したテーマが並んだ。テーマ設定それ自体から、若くはない私はいろいろと学ぶことが多かった。教員はこのようにも学ぶのだということを、学生の皆さんに教えてもらった。以下、私の講評を書いていこう。
卒論を読むなかで感じたことの一つは、データの吟味が足りないということである。自己の主張を証明するデータを捜すことのみに気を取られ、データーの質に対する吟味がおろそかになりがちであった。したがって、そのデータをどのように使用したならば自己の主張の正しさを証明できるのか、論文の論理の構築が今一歩であるものも見受けられた。
卒論を読んでいて感じたもう一つの感想は、歴史的パースペクティブから卒論のテーマと格闘するという視点が弱いということである。しかし、これは別に卒論に限らない。授業で学生の皆さんの意見を聞いたり、試験答案やレポートを読んでいても常々感じることである。なぜある事柄がそのような状態で、そこにあるのか。そのことにはもちろん問題がたくさんある。早急に解決が求められることも確かである。しかし、そのことがそうであることには何らかの理由があったのであり、そのことがそうなっていることを、歴史的パースペクティブの中で考察することなしに、今後の解決策を考えることはできないであろう。また、そのような長い時間軸での考察なしに作られる解決策は長くもたないものにしかならないのではないか。皆さんはどう考えるであろうか。
キーワード1 多様性
キーワード2 継続就業
キーワード3 両立
キーワード4  
キーワード5  
戻 る
Copyright (C) Doshisha University All Rights Reserved.