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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2009 |
ゼミ名 | 三山 雅子 |
タイトル | 貧困の連鎖――貧困と学歴―― |
内容 | 昨今の金融危機の影響に伴い経済、雇用環境が悪化している。就職率も低下し、派遣切りなどの問題も生じている。その中で貧困に陥る人もいれば、貧困状態にある人が現状よりもさらに貧困を強いられる状況が生じている。そのような時代に、本稿ではそもそも貧困とは何かを検証し、貧困はどうやって生じるのか、また貧困は子供が大人になった時にどのような影響を与えるのか、さらに貧困に対する行政のあり方を分析した。分析の結果、貧困に陥る要因は親の学歴や所得に関係していることがわかった。つまり、貧困が親から子に受け継がれているのである。貧困の連鎖は、貧困世帯に限定され、貧困世帯で生まれた子供は貧困から抜け出せにくくなる。つまり貧困がある特定の人々に限定されてしまうのである。このことは、生まれによってその後の人生が左右されてしまい、逆転のできない不公平な社会であることを意味する。 |
講評 | 暮れの提出を経て、一昨日ようやく卒論の口頭試問が終了した。日本の貧困問題、非正規労働問題、女性雇用とワークライフバランス、日本農業の自立など、今年も若さというアンテナが捉えた時代を反映したテーマが並んだ。テーマ設定それ自体から、若くはない私はいろいろと学ぶことが多かった。教員はこのようにも学ぶのだということを、学生の皆さんに教えてもらった。以下、私の講評を書いていこう。 卒論を読むなかで感じたことの一つは、データの吟味が足りないということである。自己の主張を証明するデータを捜すことのみに気を取られ、データーの質に対する吟味がおろそかになりがちであった。したがって、そのデータをどのように使用したならば自己の主張の正しさを証明できるのか、論文の論理の構築が今一歩であるものも見受けられた。 卒論を読んでいて感じたもう一つの感想は、歴史的パースペクティブから卒論のテーマと格闘するという視点が弱いということである。しかし、これは別に卒論に限らない。授業で学生の皆さんの意見を聞いたり、試験答案やレポートを読んでいても常々感じることである。なぜある事柄がそのような状態で、そこにあるのか。そのことにはもちろん問題がたくさんある。早急に解決が求められることも確かである。しかし、そのことがそうであることには何らかの理由があったのであり、そのことがそうなっていることを、歴史的パースペクティブの中で考察することなしに、今後の解決策を考えることはできないであろう。また、そのような長い時間軸での考察なしに作られる解決策は長くもたないものにしかならないのではないか。皆さんはどう考えるであろうか。 |
キーワード1 | 貧困の連鎖 |
キーワード2 | 所得再分配 |
キーワード3 | 児童手当 |
キーワード4 | こども手当 |
キーワード5 | |
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