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学科 産業関係学科
年度 2009
ゼミ名 三山 雅子
タイトル 障害者雇用と就労支援
内容  本論文では、障害者雇用と就労支援の現状を様々なデータや事例からまずはしっかり理解し、就労支援に関する問題について考察した。まず第一章で「障害」についての基礎知識と日本のどのくらいの人が障害を持っているかを分析している。第二章では「障害者雇用の現状」について厚生労働省のデータを基に明らかにする。つまり、法律で決まっている雇用率に対して、日本の企業や機関ではどれぐらいの障害者を雇用しているのか、また障害者雇用は促進されてきているのか、さらに日本の民間企業において企業別・産業別、障害者種別ごとに、障害者雇用の実態がどうなっているのかを分析した。第三章では就労支援の実態を支援の考え方や視点やプロセス、そして様々な機関での支援の実態からまとめている文献である山崎 順子・六波羅 詩朗編『地域でささえる就労支援』をもとに考えを深めてた。第四章では、障害者雇用と就労支援の現状を押さえた上で「日本の法定雇用率は高いのか」・「何故支援が必要なのか」という問題をたて、自分なりの考察をまとめてた。そして、終章では今後の課題として、障害者の働きやすい職場にするためにどのような考えを持つべきかを述べている。
講評 暮れの提出を経て、一昨日ようやく卒論の口頭試問が終了した。日本の貧困問題、非正規労働問題、女性雇用とワークライフバランス、日本農業の自立など、今年も若さというアンテナが捉えた時代を反映したテーマが並んだ。テーマ設定それ自体から、若くはない私はいろいろと学ぶことが多かった。教員はこのようにも学ぶのだということを、学生の皆さんに教えてもらった。以下、私の講評を書いていこう。
卒論を読むなかで感じたことの一つは、データの吟味が足りないということである。自己の主張を証明するデータを捜すことのみに気を取られ、データーの質に対する吟味がおろそかになりがちであった。したがって、そのデータをどのように使用したならば自己の主張の正しさを証明できるのか、論文の論理の構築が今一歩であるものも見受けられた。
卒論を読んでいて感じたもう一つの感想は、歴史的パースペクティブから卒論のテーマと格闘するという視点が弱いということである。しかし、これは別に卒論に限らない。授業で学生の皆さんの意見を聞いたり、試験答案やレポートを読んでいても常々感じることである。なぜある事柄がそのような状態で、そこにあるのか。そのことにはもちろん問題がたくさんある。早急に解決が求められることも確かである。しかし、そのことがそうであることには何らかの理由があったのであり、そのことがそうなっていることを、歴史的パースペクティブの中で考察することなしに、今後の解決策を考えることはできないであろう。また、そのような長い時間軸での考察なしに作られる解決策は長くもたないものにしかならないのではないか。皆さんはどう考えるであろうか。
キーワード1 障害者雇用
キーワード2 参加
キーワード3 就労支援
キーワード4 障害者福祉
キーワード5  
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