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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2009 |
ゼミ名 | 井上 智義 |
タイトル | イマージョン・プログラムを受けている生徒の英語能力に関する研究 |
内容 | 本研究の目的は、日本で行われているイマージョン・プログラム(IP)において、目標言語である英語の能力がどの程度向上しているかを明らかにすることである。そのために、①語彙力、②単語産出の流暢性、③会話表現、④日英二言語でのメモリスパン、⑤マンガ場面での英作文の5項目からなるテストを用いてそれぞれの能力を測定した。調査は全項目で35分程度で行われた。IPで学習している中学生(36名)のそれぞれの項目の得点を一般的な高校生(64名)・大学生(55名)と比較することで、各能力の水準を検証した。本研究の結果、IPは開始4年半の時点で大学生と同程度のレベルまで目標言語である英語の能力を向上させたことが示唆された。さらにIPで他教科を学習したために一般的な学習では身につけることの少ない単語を習得すること、一般的には短くなるはずの英語のメモリスパンが、日本語のそれに近づくことが示された。 |
講評 | 本論文は、日本における数少ない教育実践、イマージョン教育による英語能力の育成に関する実証的な研究である。ぐんま国際アカデミーで小学校4年生から、4年半の期間、英語教育を受けた中学生36名の英語能力について、同志社大学の一般の大学生よりも高い英語能力が身に付いていることを示唆した興味深い結果を示している。調査に用いた英語能力テストについても、妥当性の高い一般的な問題とともに、独自にユニークな問題を設定するなど、さまざまな場面での工夫がみられる。目標言語(この場合は英語)で他の教科を教えるというイマージョン教育について、その成果を教育心理学的な手法を用いて客観的に示したという点で、非常に貴重な資料を提供している。学術的にも価値の高い論文になっている。 |
キーワード1 | イマージョン・プログラム |
キーワード2 | 教育心理 |
キーワード3 | 英語教育 |
キーワード4 | メモリスパン |
キーワード5 | 英語能力 |
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