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学科 | 産業関係学科 |
年度 | 2009 |
ゼミ名 | 千田 忠男 |
タイトル | 宅配便における集配作業の労働実態 |
内容 | 宅配便業は、産業のグローバル化や、中国展開の具体化などにより、あり方が問われるようになった。その時特に集配作業者の労働実態が重視されなければならない。というのは、この業界は運送業の中でももっとも典型的な労働集約型産業だからである。また、労働実態といっても、労働者にとって仕事のきつさを超えるほどに仕事の未来を感じ取れるかどうか、要するに労働実態から産業の未来を的確にみることが重要であると考えた。 こうした問題意識から、私は、2009年10月2日から12月1日までの2ヵ月間パート社員の集配作業者として働きながら労働生活日誌を作成し、宅配業における集配作業者の労働実態を描写することである。 まず、宅配市場と宅配便の作業概要について、業界トップであるヤマト運輸を例にして概観する。続いて私自身が経験したA社の営業所(背営業センター)の実態を、作業の流れや社員区分、勤務形態、人員構成から見た。人員は正社員と契約社員、アルバイトの三種から構成され、アルバイトの場合には付きに20日前後働いて手取り16万円前後で、労働負荷は、いわば膝が踊るとでもいえるような、非常にきつい作業である。作業者の労働現場をみている。最後に労働意欲を向上させるためにとられている、いわゆるヒューマンリレーションズの諸活動が有効に機能していることを強調したい。 |
講評 | すべての論文が現今において注目されている社会問題を取りあげているが、特に雇用労働問題と産業活動における諸問題を取りあつかった論文に鋭さが見られた。また、問題意識を鮮明にしながら複雑な問題事象に分け入るために方法を工夫するという姿勢も明らかであった。個々の論文に対しては次の点に注目して評価を加えた。 社会の中で生起する諸現象は、調査・検索による事実発見とその批判(考えられる反証をあげて、それにも耐えられるかどうかを試す)という手続きを踏むことによって、誰もが否定できない・誰もが認めざるを得ない・誰もがそこから出発しなければならない「事実」になる。そうした手続きが意識されているかどうか。 「事実」にたいする筆者の解釈を示す時にも、解釈はいく通りもありうるという事情を十分に理解して、自分の解釈を論理的かつ合理的に導こうとしているかどうか。 「事実」、「解釈」、「合理的な推論」をふまえて、合理的で実現可能な道筋をも含んだ「政策提案」をしようとしているかどうか。 これから社会で活躍する際に、卒業研究を通じて鍛えた理性を縦横に役立てることを期待して、詳細に採点した。 |
キーワード1 | 宅配業 |
キーワード2 | 労動負荷 |
キーワード3 | 労働意欲 |
キーワード4 | 労働条件 |
キーワード5 | |
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