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学科 産業関係学科
年度 2009
ゼミ名 浦坂 純子
タイトル ある自動車販売会社における報酬制度改革とその帰結-改革による営業成績へのインパクト-
内容  本論の目的は、自動車販売会社A社における従来の報酬制度の強化内容と、その経済的帰結を、都留[2006]に依拠して分析することにある。分析の結果、以下の点が明らかとなった。A社が2006年に推進した報酬制度改革は、従業員による「インセンティブ強化の要請」に経営側が応じたことから始まった。経営側は、その要請に応じる代わりに、「総人件費の原資は改革前後で変化がないこと」を条件とした。具体的な改革の内容は、①職能給の若干の増額、②諸手当の廃止、③ドロー方式業績給の導入、④賞与支給額の決定基準の変更、の4点である。これらの改革は、以下のような帰結を伴った。第一に、改革前後の販売台数の変化を見ると、高業績者に関して向上は見られなかったが、低業績者に関しては若干の増加が見られた。第二に、改革前後での給与変化を見ると、高業績者の給与は上昇傾向、低業績者の給与は下降傾向が確認できた。以上の制度強化により、A社の改革意図は実現したように思える。しかし一方で、ドロー方式業績給等の変更の生産性向上効果は限定的である。こうした意味から、A社の報酬制度改革の評価は功罪半ばと評価することができる。
講評  A社の報酬制度改革に関する一次資料を入手できたことにより、都留[2006]の議論を踏襲する形で独自の検証を展開したことは高く評価できる。明確な結果が得られなかった点については、より一層の相対化が必要だろう。
キーワード1 自動車販売会社
キーワード2 業績給
キーワード3 インセンティブ
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