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学科 メディア学科
年度 2009
ゼミ名 渡辺 武達
タイトル 生命保険とマスメディアの社会的意義 ―生命保険会社の適切なメディア利用とは―
内容 現在、生命保険業界、メディア業界ともに社会的信頼を失いつつある。その理由は情報提供に関して、消費者=読者・視聴者よりも自分たちの利益を優先させ、「社会的公益性」を守らなくなっているからである。
 本論文では生命保険業界で起きた「保険金不払い問題」「顧客情報流出問題」という2つの不祥事を題材として、それらに関係する広告や報道(テレビ・新聞)を分析し、保険業界とメディア双方の利益優先主義の実態を解明した。
また、生命保険業界とメディア業界の関連性を取引関係の観点から検証し、メディアが提供する情報の内容・表現に影響を与える「見えない検閲」と、メディアが読者・視聴者よりも株主・広告主企業に配慮した情報提供を行う「株主・広告主優先主義」の問題点を指摘した。
 その上で生命保険業界、メディア業界双方が社会的信頼を回復し、本来持っている「社会的公益性」を高めていくためには、それぞれのメディア媒体(テレビ・新聞)の持つ特性を十分に理解し、それらの特性を消費者=読者・視聴者の立場に立った情報提供に役立てていくことが重要であると結論付けた。
講評  メディア学科のキーワードは①メディア②コミュニケーション③ジャーナリズムである。つまり、情報のやりとりであるコミュニケーション過程の円滑化がどのようにして社会の民主化に貢献できるかということである。私のゼミではメディアと社会の関係に特化した卒論を書くように指導しており、今年も、現代社会のメディア状況を分析するという視点をもったものが提出された。今後の課題は変化の激しいメディアの技術論に惑わされない人間の情報活動の在り方についてその根源をえぐる問題にアプローチできるようにすることである。学生たちが情報流通の背後にあるビジネス論理と人間の幸せを同時に追求できるようになれば、さらに実りある卒論になるであろう。
キーワード1 生命保険
キーワード2 メディア
キーワード3 企業的利益
キーワード4 社会的公益
キーワード5  
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