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学科 メディア学科
年度 2010
ゼミ名 渡辺 武達
タイトル 「ジェンダーとテレビドラマの持つ可能性~現状と将来への可能性~」
内容 昔から現代において存在し続けるジェンダーの問題。それを文献などで正確に理解したのち、現代社会にはびこるジェンダー意識について考える。今回のレポートでは、ジェンダーの本質的理解を元に、「娯楽」としてのメディアの1つである「テレビドラマ」が、どうジェンダーを捉え、社会にメッセージを送っているのか、そして、今後「テレビドラマ」がジェンダーに対しどういった貢献を果たすのか、テレビドラマの意義について考察した。ジェンダーは「男らしさ」「女らしさ」などの固定的分担意識を主に指し示し、そのジェンダーが社会的に大きな影響力を持ち始めると、ジェンダー・バイアス(社会的・文化的性差別あるいは性的偏見)となり、人々の生活に影響を与え始める。このジェンダー・バイアスについて、主に「男は仕事、女は家庭」という固定的分担意識を軸に、人々の生活にどう影響してきたのか、そしてどう影響しているのかについて、アンケートをもとに検証したところ、いまなおこの「男は仕事、女は家庭」という固定的分担意識が人々の選択に影響を与えていることがわかった。現在、ジェンダー・バイアスの解消にむけ、人々が運動をしているにもかかわらず、まだこのジェンダー・バイアスは残っている。「男は仕事、女は家庭」というジェンダー意識(固定的分担意識)が現在も人々の頭の中に残っているのであれば、メディアはそのジェンダー意識をどう捕らえているのか。主に娯楽の一つとして、毎日夜9時10時台に放送されているドラマとジェンダー問題を結び付け、ジェンダー表現がどのように行われているかについて考察した。そして、最終的に、娯楽のひとつであるドラマの中にも、ジェンダー・バイアス解消につながるメッセージをもったものや、逆に固定的分担意識を強調しているものがあることがわかった。つまり、同じメッセージ性を兼ね備えたドラマひとつにとっても、「ジェンダー・バイアスの解消につながるものもあれば、ジェンダー・バイアスの誇張につながるものもある」ということである。今後、ジェンダー・バイアスの解消、そして男女ともに本当に住みやすい世界をつくるために、メッセージ性をもったマスメディアのひとつとして、ドラマが果たす役割も重要なのではないか。
講評  メディア学科のキーワードは①メディア②コミュニケーション③ジャーナリズムで、それらは学部から大学院博士課程後期まで共通している。つまり、情報のやりとりであるコミュニケーション過程の研究を通して社会の民主化に貢献するためのいとぐちをつかむことがメディア学の最終目標である。私のゼミではメディアと社会の関係に特化した卒論を書くように指導しており、今年も、現代社会のメディア状況を分析するという視点をもったものが提出された。今後の課題は変化の激しいメディアの技術論に惑わされない人間の情報活動の在り方についてその根源をえぐる問題にアプローチできるようにすることである。学生たちが情報流通の背後にあるビジネス論理と人間の幸せを同時に追求できるようになれば、さらに実りある卒論になるであろう。
キーワード1 ジェンダー
キーワード2 ドラマ
キーワード3 ジェンダー・バイアス
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