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学科 | メディア学科 |
年度 | 2010 |
ゼミ名 | 渡辺 武達 |
タイトル | ドキュメンタリーと主観性 ―太地町が「ザ・コーヴ」から学ぶべきこと― |
内容 | ドキュメンタリーは,視聴者に伝えたい事実を,制作者の主観を基に表現することを最優先にすることによって浮き彫りにすることが目的である。その点で,客観性が求められ,中立・公正の立場のもと情報を正確に伝えることが第一に必要とされる報道とは異なると言える。 太地町のイルカ漁を批判する「ザ・コーヴ」という映画が発表された。この映画は様々な議論をかもし,世間を賑わしているが,批判の対象である太地町の関係者はそれらに対して何も主張しない姿勢を見せている。 ドキュメンタリーは主観を基に表現するものするものであり,一つの主張であると言い換えられる。それだけは一方的なものだが,批判された側もなんらかの主張を行い,双方向に主張することができれば、文化や考えの違いを超えて,相互理解に繋がるのではないだろうか。批判を頭から否定するのではなく,相互理解を試みることでより良いものになっていく。ドキュメンタリーの主観性は,そういう可能性を秘めている。 |
講評 | メディア学科のキーワードは①メディア②コミュニケーション③ジャーナリズムで、それらは学部から大学院博士課程後期まで共通している。つまり、情報のやりとりであるコミュニケーション過程の研究を通して社会の民主化に貢献するためのいとぐちをつかむことがメディア学の最終目標である。私のゼミではメディアと社会の関係に特化した卒論を書くように指導しており、今年も、現代社会のメディア状況を分析するという視点をもったものが提出された。今後の課題は変化の激しいメディアの技術論に惑わされない人間の情報活動の在り方についてその根源をえぐる問題にアプローチできるようにすることである。学生たちが情報流通の背後にあるビジネス論理と人間の幸せを同時に追求できるようになれば、さらに実りある卒論になるであろう。 |
キーワード1 | ドキュメンタリー |
キーワード2 | 主観性 |
キーワード3 | 相互理解 |
キーワード4 | |
キーワード5 | |
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